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原著(ARTICLE)
勃起障害治療薬の使用者における性行為感染症:保険金請求データの解析
Sexually Transmitted Diseases Among Users of Erectile Dysfunction Drugs: Analysis of Claims Data
Anupam B. Jena, MD, PhD; Dana P. Goldman, PhD; Amee Kamdar, PhD; Darius N. Lakdawalla, PhD; and Yang Lu, PhD
6 July 2010 | Volume 153 Issue 1 | Pages 1-7
背景: 勃起障害(ED)に対する薬物治療は中年および高齢男性者の間で人気を博している.ED薬の使用者間での性的活動の増加に伴う性行為感染症(STD)への懸念が高まっている.

目的: ED薬を使用する男性と使用しない男性におけるSTDsの割合を調べる事.

デザイン: 後ろむきコホート研究.

セッティング: 44の大企業からの民間企業保険に加入している1,410,806名の40歳以上の男性に関する1997年から2006年までの保険金請求のデータベース.

患者: 少なくとも1回以上ED薬の処方箋を調剤された33,968名の男性と処方の無い1,376,838名の患者.

測定: ED薬使用者と非使用者におけるSTDの流行.

結果: ED薬使用者のSTD罹患率は,ED薬療法の開始前年(年間100,000人当たり214 vs. 106;P=0.003),翌年(105 vs. 65;P=0.004)の両年で,非使用者よりも高かった.年齢と他の合併症を補正後,ED薬使用者のSTD罹患のオッズ比(OR)(95%CI)は治療開始前年が2.80(CI,2.10〜3.75)で,治療開始翌年が2.65(CI,1.84〜3.81)であった.これらの相違は主としてHIV感染によるものであった.HIV感染のORはED薬の処方箋が調剤された前年が3.32(CI,2.38〜4.36)で,翌年が3.19(CI,2.11〜4.83)であった.最初のED薬の処方箋が調剤された前年から翌年までにSTD罹患率の有意な変化は証明されなかった(最初の処方箋調剤前後のED薬使用者に関するSTDの補正ORは0.96(CI,0.87〜1.06)).

研究の限界: 選択バイアスのためにED薬の使用が直接STDの増加につながるかどうか結論付けることはできない.

結論: ED薬を使用する男性では,STD罹患率特にHIV感染率が,同薬使用前後の年において高かった.本研究で観察されたED薬使用とSTDとの関連は,ED薬を入手可能な事がSTD罹患率に与える直接の影響よりも,ED薬を使用している患者の人物タイプとより関係しているのかもしれない.ED薬の処方の際には,安全な性行為に関するカウンセリングとSTDのスクリーニングも併せて行うべきである.

主たる資金提供源: RAND Roybal Center,National Institutes of Health(訳注:国立衛生研究所),およびAgency for Healthcare Research and Quality(訳注:米国ヘルスケア研究・品質局-AHRQ).

(翻訳:高田 徹)

English Abstract

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