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レビュー(Review)
メタ解析:慢性腎臓病患者における赤血球生成刺激因子製剤
Meta-analysis: Erythropoiesis-Stimulating Agents in Patients With Chronic Kidney Disease
Suetonia C. Palmer, MBChB; Sankar D. Navaneethan, MD, MPH; Jonathan C. Craig, MBChB, DCH, MM, PhD; David W. Johnson, MBChB(Hons), PhD; Marcello Tonelli, MD, SM; Amit X. Garg, MD, PhD; Fabio Pellegrini, MSc; Pietro Ravani, MD, MSc, PhD; Meg Jardine, MBBS, PhD; Vlado Perkovic, MBBS, PhD; Giusi Graziano, PhD; Richard McGee, BMedSci, MBBCh, MM; Antonio Nicolucci, MD; Gianni Tognoni, MD; and Giovanni F.M. Strippoli, MD, PhD, MPH, MM
6 July 2010 | Volume 153 Issue 1 | Pages 23-33
背景: これまでのメタ解析は慢性腎臓病(CKD)における赤血球生成刺激因子製剤(ESAs)は死亡のリスクを増加させることを示唆している.最近さらなる複数の無作為化試験が終了している.

目的: ESA治療の効果を貧血と慢性腎臓病(CKD)の患者における予後についてまとめること.

情報源: MEDLINE(1966年1月から2009年11月まで),EMBASE(訳注:Elsevier Science社が作成する医学・薬学文献データベース)(1980年1月から2009年11月まで)そしてCochrane Central Register of Controlled Trials(訳注:英国のCochrane Collaborationが医療情報を収集,提供しており,Cochrane Central Register of Controlled Trialsは,適切にデザインされた臨床試験についての文献を集積したものである)(2010年3月まで)が言語制限なしに調査された.

研究の選択: 2人の著者が独自にCKD患者におけるESA治療を評価する無作為化試験を行った報告を選別した.目標ヘモグロビン値を設定した試験,ESA対無治療またはプラセボの試験が含まれた.

データ抽出: 2人の著者が独自に患者の特徴,研究のバイアス,そしてESA治療による影響を抽出した.

データ合成: 27の試験(10452患者)が同定された.高い目標ヘモグロビン値は低い目標値と比較して,脳卒中(相対リスク[RR],1.51[95%CI,1.03〜2.21]),高血圧(RR,1.67[CI,1.31〜2.12]),そしてバスキュラーアクセスの血栓(RR,1.33[CI,1.16〜1.53])のリスクの増加と関連した.死亡(RR,1.09[CI,0.99〜1.20]),重度の心血管イベント(RR,1.15[CI,0.98〜1.33]),あるいは末期腎不全(RR,1.08[CI,0.97〜1.20])のリスクに有意な差を認めなかったが,点推定値は低い目標ヘモグロビン値に分布した.治療による影響はCKDの全てのステージで同程度であった.

研究の限界: クオリティ・オブ・ライフ(QOL)の効果に対するエビデンスは限られた報告しかなく限界があった.研究は十分な情報を報告しなかったので,アウトカムにおける個別のESA使用量の影響を分析できなかった.

結論: CKD患者における高い目標ヘモグロビン値は脳卒中,高血圧,そしてバスキュラーアクセスの血栓のリスクを増加し,おそらく死亡,重度な心血管イベント,そして末期腎不全のリスクも増加する.有害のメカニズムは明らかでなく,患者個人のデータに基づくメタ解析やESA使用量を修正した試験がこれらのメカニズムを解明するために推奨される.

主たる資金提供源: なし

(翻訳:山本 卓)

English Abstract

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