Journals

患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
ジヒドロテストステロンゲルの連日塗布は加齢に関連した前立腺肥大を予防しない
Daily Application of Dihydrotestosterone Gel Does Not Prevent Age-Related Growth of the Prostate Gland
16 November 2010 | Volume 153 Issue 10 | Pages I-38
「患者さんへのまとめ」は,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
男性の前立腺は加齢に伴い大きくなり,時に「良性前立腺肥大」と呼ばれる状態になります.「良性前立腺肥大」により,頻尿(夜間も含む)や,排尿開始困難感といった症状がしばしば引き起こされます.これらの症状により手術が必要となることもあります.

研究者たちはどうしてこの研究を行ったのですか?
男性ホルモンであるジヒドロテストステロンを投与することで,長期にわたり前立腺の大きさを変えることができるかどうかを検証するためにこの研究は行われました.

どのような患者さんが対象となったのですか?
前立腺疾患や慢性疾患にかかっていない,50歳以上の男性114名が対象となりました.

研究はどのように行われましたか?
患者さんたちは,ジヒドロテストステロンを含むゲルと,含まないゲルを投与するグループにランダムに振り分けられました.患者さんたちは,2年間毎日1回皮膚にゲルを塗るよう指導されました.ゲルは同じようなもので,実際に毎日塗布されました.前立腺のサイズは超音波を用いて計測されました.また,患者さんたちには,骨密度測定やジヒドロテストステロンの安全性を確認するための他の検査も行われました.

研究の結果,何が分かりましたか?
いずれのグループにおいても2年間で前立腺のサイズは平均すると同様に大きくなっており,これはジヒドロテストステロンを含むゲルを塗った患者さんでも,そうでない患者さんでもかわりありませんでした.どちらのグループでも重大な副作用はありませんでしたが,ジヒドロテストステロンを含むゲルを塗布したグループでは,脊椎の骨密度が相対的に低下していました.他の研究での結果ですが,脊椎の骨密度の低下は骨折のリスクの増大と関連しています.

この研究の限界は何ですか?
この研究はジヒドロテストステロンが前立腺癌の発症にどの程度影響するかを決めるために計画されたものではありません.

この研究の意味するところは何ですか?
ジヒドロテストステロンの投与は加齢に伴う前立腺肥大を変えることはできないということです.

(翻訳:山本智清)

English Abstract

▲このページのTOPへ