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原著(Original Research)
薬局において遺棄される処方箋の疫学
The Epidemiology of Prescriptions Abandoned at the Pharmacy
William H. Shrank, MD, MSHS; Niteesh K. Choudhry, MD, PhD; Michael A. Fischer, MD, MPH; Jerry Avorn, MD; Mark Powell, MA, MEd; Sebastian Schneeweiss, MD, ScD; Joshua N. Liberman, PhD; Timothy Dollear, MS; Troyen A. Brennan, MD, JD; and M. Alan Brookhart, PhD
16 November 2010 | Volume 153 Issue 10 | Pages 633-640
背景: 処方箋について取り上げることは,小売り薬局を利用する患者のアドヒアランスの,本質的であるが過去には研究されていない要素である.疫学と処方箋遺棄との相互関係を理解することは,医療ケアの質に重要な影響を及ぼしうる.

目的: 処方箋遺棄の割合と相互関係を評価すること.

研究デザイン: 横断コホート研究.

セッティング: 合衆国における,一つの大きな小売り薬局チェーンと,一つの薬剤給付管理会社(PBM).

測定: 2008年7月1日から2008年9月30日までの間に,PBMの保険に入っている患者により瓶詰めされた処方箋が確認された.薬局のデータは,瓶詰めされ調剤されるか在庫に戻された(RTS)薬剤と遺棄された薬剤を確認するのに用いられた.PBMからのデータは,どこかの薬局での過去におけるあるいは引き続いての調剤を確認するのに用いられた.集団のなかのそれぞれの患者に対する最初の(指標となる)処方箋は,互いに相反的な三つの結果,すなわち瓶詰めされるか,RTSか,瓶詰めを伴うRTS(遺棄30日後において患者がどこかの薬局で同じ分類の薬剤の投薬のための処方箋を買った場合)のうちの一つに割り当てられた.結果としての遺棄率は薬の分類により評価され,一般化された推測のための方程式が,遺棄と関連した患者,地方,保険,そして処方の特徴を評価するのに用いられた.

結果: 10,349,139枚の処方箋が5,249,380人の患者のために記入された.全体で3.27%の指標処方箋が遺棄され,1.77%がRTSで,1.50%が瓶詰めを伴うRTSであった.患者は麻薬処方箋を遺棄する傾向が最も少なかった.自己負担金が40ドルから50ドルの処方箋そして50ドル以上かかる処方箋は,自己負担のない処方箋に比べて,それぞれ3.40倍と4.68倍遺棄される傾向が強かった(双方比較においてp<0.001).薬剤を新たに用いる人は,常用している人に比べて2.74倍遺棄の可能性が高く(p<0.001),電子媒体により交付された処方箋は,そうでないものと比べて1.64倍遺棄される傾向が強かった(p<0.001).

研究の限界: この研究は主に保険に入っている患者を含み,解析データは夏季のみにおいて集められた.

結論: 処方箋の遺棄は薬物治療に従わないことの小さな要素を表現しているに過ぎないが,遺棄の背景は,介入によって薬剤服用の改善をもたらす重要な機会を明らかにする.

主たる資金提供源: CVS Caremark社

(翻訳:松浦喜房)

English Abstract

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