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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
薬局で受け取られない処方の特性
Characteristics of Prescriptions That Are Abandoned at the Pharmacy
16 November 2010 | Volume 153 Issue 10 | Pages I-42
「患者さんへのまとめ」は,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
薬剤の処方にはいくつかの方法が有ります.つまり,紙の処方箋を患者さんに直接手渡す方法,電話又はファックスで薬局に処方内容を伝える方法,(コンピュータを利用して)電子的に薬局に処方箋を送る方法,です.郵便で処方薬を受け取る場合を除いて,処方薬を受け取るためには患者さんまたはその代理人が薬局に出かける必要があります.患者さんは,時に処方薬を受け取らない場合があり,このことは薬局にとってコスト負担となり,また患者さんにとっては処方された薬剤を服用しないことによって健康に悪影響を及ぼす可能性があります.処方された薬剤を実際には服用していなければ医療記録は不正確なものとなる可能性があります.

この研究の目的は何ですか?
処方された薬剤が薬局で受け取られないのはどれくらいの割合か?受け取られない処方を予測することは可能か?薬局で受け取られない処方を減らすための介入をデザインすることが可能かどうか,を検討することです.

どのような人たちが試験の対象になっていますか?
研究者は人を対象としたのではなく,処方についてのデータを検討したものです.

どのような研究がおこなわれましたか?
研究者たちは,国営の薬剤給付管理会社によって管理される処方保険に加入した患者さんに発行された数百万もの処方箋データを利用しました.処方に関する情報と大規模薬局チェーンの記録をリンクさせ,どの処方が引き取られなかったかを調査しました.

この研究からどのような結論が出ましたか?
処方箋発行後,ほぼ全ての処方は発行1か月以内に受け取られていましたが,処方箋が初めて発行された場合,処方箋が電子的に薬局に送られた場合,自己負担額がより高額な処方の場合には,受け取られない傾向がありました.

この研究にはどのような限界がありますか?
調査対象の処方箋は殆ど全て,有保険者であり,一箇所の大規模薬局チェーンで処方薬を受け取れる患者さんに発行されたものでした.患者さんが処方を受け取りに薬局までやって来ないのかどうか,また,いったんは薬局までは来たうえで処方を受け取らないのか,については明確な結論は得られませんでした.

この研究の意義はどのようなものでしょうか?
患者さんが処方薬を受け取らなければ,自らを危険にさらす可能性があります.さらに,患者さんが実際には服用していないのに薬剤が効いていないと処方医は誤って認識してしまう可能性がありますし,医療記録の情報が不正確なものとなる可能性があるのです.この研究から得られる情報によって,薬局はどの処方が受け取られないか予測しやすくなり,患者さんにとっては,今よりも処方薬を受け取りやすいプログラムがデザインされやすくなるでしょう.

(翻訳:松木薗和也)

English Abstract

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