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原著(Original Research)
討論情報:推定同意の国々での腎移植率について
Informing the Debate: Rates of Kidney Transplantation in Nations With Presumed Consent
Lucy D. Horvat, MSc; Meaghan S. Cuerden, MSc; S. Joseph Kim, MD, PhD; John J. Koval, PhD; Ann Young, PhD; and Amit X. Garg, MD, PhD
16 November 2010 | Volume 153 Issue 10 | Pages 641-649
背景: 腎臓はもっとも移植されている臓器であり,ほとんどすべての生体臓器移植とほとんどの献体臓器移植で行われている.多くの国で政策立案者は,臓器不足のために推定同意法を採用することで,死体ドナーよりの臓器提供を増やす利点につき,討論するようになった.

目的: 献腎移植に際し,推定同意の国と明示的同意の国の特徴と腎移植率の比較

デザイン: 1997年から2007年までの世界における腎移植の縦断的研究

セッティング: 腎移植を行っている44か国

患者: 献腎および生体腎移植のレシピエント

測定: 献腎及び生体腎移植ドナーよりの腎移植率

結果: 人口,カトリック教徒であると自己申告した人口の比率,一人当たりのGDP,医療費や医師数の密度といった国家の特徴は,推定同意の22か国と明示的同意の22か国で大きく異なった.献腎移植率は推定同意の国(中央値,人口百万人あたりの移植数22.6;四分位範囲(IOR),9.3から33.8)の方が明示的同意の国(中央値,人口百万人あたりの移植数13.9;IOR,3.6から23.1)よりも高かった.生体腎移植率は明示的同意の国(中央値,人口百万人あたりの移植数5.9;IQR,2.3から12.2)に比べ,推定同意の国(中央値,人口百万人あたりの移植数2.4;IQR,1.7から4.3)の方が低かった.国家を一人当たりのGDP,医療費や医師数の密度にて分類したときも,結果は一致していた.

研究の限界: すべての観察研究と同様に,その関連は因果関係に基づかない可能性がある.

結論: 推定同意の国は明示的同意の国よりも献腎移植の率が高い.推定同意を採用する予定の国は,その生体腎移植率におよぼす影響を注意深く考慮し,その影響を減らすべきである.

主たる資金供給源: Canadian Institute of Health Research and Lawson Health Research Institute

(翻訳:今井直彦)

English Abstract

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