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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
腎移植の同意に関する国際研究
International Study of Consent for Kidney Transplantation
16 November 2010 | Volume 153 Issue 10 | Pages I-48
「患者さんへのまとめ」は,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
多くの人が臓器不全を患い,生きるために臓器移植を必要としています.しかし利用できる臓器は死体ドナーにしても生体ドナーにしても限られています.いろいろなタイプの臓器が移植可能ではありますが,多くは腎臓です.世界中の政策立案者が移植に利用可能な臓器の数を増やすために最善の方法を探しています.幾つかの国では,死亡した人からの臓器を(それが利用できる場合),本人が事前に同意したかどうかに関わらず摘出することが認められています(推定同意).他の国では,臓器提供するかどうかを事前に本人が同意することが求められています(明示的同意).献腎は生体腎ほどには生存しないかもしれないので,臓器提供を促進するために推定同意と明示的同意のどちらが良いかは定かではありません.

この研究の目的は何ですか?
研究者らは多くの国の腎提供に関するデータを利用し,臓器の同意のタイプに基づいて,献腎と生体腎の提供の比率の違いがあるかどうかを研究しました.

どのような人たちが試験の対象になっていますか?
44の国と1997年から2007年までの腎提供の様々なタイプの割合

どのような研究がおこなわれましたか?
著者は国と地域の移植登録者,厚生省,移植センター,その他の情報源からのデータを分析しました.彼らは臓器提供同意の2つのタイプが次のことによって異なるのかを検討しました.:国の人口規模,国家経済の現況情報,カトリック人口の割合,そしてその他の臓器の利用可能性と関わる要因について

この研究からどのような結論が出ましたか?
推定同意の国では献腎提供の割合が高く,生体腎提供の割合は明示的同意の国より低いことが分かりました.このパターンは特別な国特有の性質を検討した際に明らかでした.

この研究にはどのような限界がありますか?
この研究はこれらの国での臓器提供の2つのタイプを観察したに過ぎないので,同意のタイプが献腎対生体腎提供の比率の差の原因であるかどうかは明確ではありません.

この研究の意義はどのようなものでしょうか?
推定同意は国にとって必ずしも良い方策ではないのかもしれません.なぜなら生体腎移植は献腎より生存率が高いからです.これらの国においては潜在的な生存ドナーは,実際はそうでないのに死体からの移植で間に合っていると考えてしまうかもしれません.著者らは,国がどういう同意プロセスをとるかを決定する前にこれらのパターンをよく研究する必要があると示唆しています.

(翻訳:土屋直隆)

English Abstract

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