Journals

医学の歴史(History of Medicine)
進化する診療録
The Evolving Medical Record
Eugenia L. Siegler, MD
16 November 2010 | Volume 153 Issue 10 | Pages 671-677
 形式は内容を表す,そして我々に課された記録の方法は,患者の見方にも影響を与える可能性がある.ニューヨーク病院では,1800年代初頭に患者の症例記録の永久保存が医師により始められた.当初は,医学生のための教育症例として提案されその価値が認められていたが,これらの自由記載の患者記録はその質にばらつきがあり,その当時の医療ケアを反映しているだけでなく,記載した医師の性格をも反映したものであった.19世紀の終わりになると,症例記録は回顧的なものから診療のリアルタイム記載へと変化した.また,書式の使用による定型的な診療録の導入により,入院経過記録の叙述的な面は著しく減少した.医師らは徐々にこういった制約から逃れる方法を見出すようになった.増大するデータ量に対応することを目的とした診療録の形式の変化や,それに対する医師の反応は,今日において電子カルテの導入によりもたらされている患者記録への脅威に通じるものがある.

(翻訳:泉谷昌志)

English Abstract

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