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(更新日 2010年8月18日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
3 August 2010 Volume 153 Issue 3
(監修:安藤聡一郎,総合監修:吉田直之)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
青年期にみられる至適でない脂質値とその後の冠動脈石灰化:CARDIA(青年期の冠疾患リスク発現)研究
Nonoptimal Lipids Commonly Present in Young Adults and Coronary Calcium Later in Life: The CARDIA (Coronary Artery Risk Development in Young Adults) Study
Mark J. Pletcher, Kirsten Bibbins-Domingo, Kiang Liu, Steve Sidney, Feng Lin, Eric Vittinghoff, and Stephen B. Hulley
CARDIA研究のデータを用いた本解析は,青年期の脂質値と中年期の動脈硬化性変化の関連についての検討である.冠動脈石灰化の有病率は,青年期のLDLコレステロール値が1.81 mmol(<70 mg/dL)未満である患者群の8%から4.14 mmol(160mg)以上である患者群の44%に分布していた.これらの観測によれば,青年期の至適でない脂質値は20年後の冠動脈硬化に関連している.
(翻訳:新沼廣幸)
2年後の体重と代謝の測定項目―低炭水化物食か低脂肪食か―:無作為化試験
Weight and Metabolic Outcomes After 2 Years on a Low-Carbohydrate Versus Low-Fat Diet: A Randomized Trial
Gary D. Foster, Holly R. Wyatt, James O. Hill, Angela P. Makris, Diane L. Rosenbaum, Carrie Brill, Richard I. Stein, B. Selma Mohammed, Bernard Miller, Daniel J. Rader, Babette Zemel, Thomas A. Wadden, Thomas Tenhave, Craig W. Newcomb, and Samuel Klein
この無作為化試験では,患者は包括的な生活習慣改善プログラムに参加した.そして,低炭水化物食群か低脂肪食群のどちらかに割りつけられた.低炭水化物食と低脂肪食を比較したこれまでの研究では概して,並列して生活習慣改善プログラムを盛り込んでいなかった.両群での減量効果は2年で約7kgであった.体重,体組成,骨密度はどの時点においても両群間で差はなかった.しかし,低炭水化物食群の方がすべての時点で,HDLコレステロール値が著明に増加した.
(翻訳:澤木秀明)
ClinicalTrials.govに登録された薬物試験における結果報告
Outcome Reporting Among Drug Trials Registered in ClinicalTrials.gov
Florence T. Bourgeois, Srinivas Murthy, and Kenneth D. Mandl
本研究では,ClinicalTrials.govに登録された頻繁に処方される薬剤5クラスに関する546の臨床試験について,新たな介入が対照と比べて有効であるとの結果報告(好ましい報告)と資金提供源との関連を検討した.企業が資金提供した試験は85.4%が好ましい報告を行っていたのに対して,政府が資金提供した試験では50.0%,非営利組織または非政府組織が資金提供した試験では71.9%であった.また,企業が資金提供した試験は,他の資金提供元の試験に比べて試験終了後24か月以内に発表される割合が低かった.
(翻訳:紺谷 真)
長期人工呼吸器装着患者における介護と医療制度利用の一年間の軌跡:コホート研究
One-Year Trajectories of Care and Resource Utilization for Recipients of Prolonged Mechanical Ventilation: A Cohort Study
Mark Unroe, Jeremy M. Kahn, Shannon S. Carson, Joseph A. Govert, Tereza Martinu, Shailaja J. Sathy, Alison S. Clay, Jessica Chia, Alice Gray, James A. Tulsky, and Christopher E. Cox
人工呼吸器装着が長期化した患者における退院後の介護と医療制度利用の図式は不明瞭である.そこで退院後1年時における生存率,機能分類,医療ニーズを究明するために126名の患者もしくは代理人に対して聞き取り調査を実施した.患者は複数の介護への移行を経たにもかかわらず,退院後1年時においても人工呼吸器に依存している患者を除くと,35%の生存率しかなかった.機能回復にかかわらず生存者ひとりあたりの推定費用は350万ドルに及んだ.
(翻訳:中村浩士)
医学と臨床(Academia and Clinic)
ACPにおける診療ガイドラインおよび指針ステートメントの開発:方法の概要
The Development of Clinical Practice Guidelines and Guidance Statements of the American College of Physicians: Summary of Methods
Amir Qaseem, Vincenza Snow, Douglas K. Owens, Paul Shekelle, and for the Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians
ACP(訳注:米国内科学会)は,エビデンスに基づく診療ガイドラインプログラムを1981年に確立した.この論文では,ACPが診療における勧告を開発してきた経緯について述べている.
(翻訳:山前正臣)

展望(Perspectives)
謙虚さ
On Humility
Jack Coulehan
「謙虚さ」の持つ特徴的性質-自分の在り様にいかなる状況でも意識的であること,内省的でありつつ他人に対して開かれていること,癒しの力を授けられていることへの深い感謝-が「医師たること」の重要な特性であり,それは適切な環境(=このような謙虚さが満ちている環境)でロールモデルとともに学ばれていくものである,とこのエッセーでは主張されている.医療の遂行への誇りは,我々の「治療する者」としての謙虚さを疎外するものであったり,弱めてしまうものであったりしてはならない.
(翻訳:山前正臣)
NIHカンファレンス(NIH Conferences)
NIHの科学的現状の会議声明:アルツハイマー病と認知機能低下の予防
National Institutes of Health State-of-the-Science Conference Statement: Preventing Alzheimer Disease and Cognitive Decline
Martha L. Daviglus, Carl C. Bell, Wade Berrettini, Phyllis E. Bowen, E. Sander Connolly, Jr., Nancy Jean Cox, Jacqueline M. Dunbar-Jacob, Evelyn C. Granieri, Gail Hunt, Kathleen McGarry, Dinesh Patel, Arnold L. Potosky, Elaine Sanders-Bush, Donald Silberberg, and Maurizio Trevisan
National Institute on Aging(訳注:[米]国立老化研究所)とOffice of Medical Applications of Research of the National Institutes(訳注:[米]国立衛生研究所の研究医学適応局)は2010年4月26日から28日まで,認知機能低下とアルツハイマー病予防に関するエビデンスを評価するためのState-of-the-Science Conference(訳注:科学的現状の会議)を開催した.
(翻訳:山前正臣)


系統的レビュー:高齢者の認知機能低下のリスクおよび実行可能な予防策に関連した要因について
Systematic Review: Factors Associated With Risk for and Possible Prevention of Cognitive Decline in Later Life
Brenda L. Plassman, John W. Williams, Jr., James R. Burke, Tracey Holsinger, and Sophiya Benjamin
この系統的レビューは,National Institutes of Health(訳注:[米]国立衛生研究所)におけるState-of -the-Science Conference(訳注:科学的現状の会議)を実施するためのエビデンスレビューによって始められたものであるが,高齢成人の認知機能低下に対する推測上のリスクおよび防御要因についてのエビデンスを要約した.タバコ使用量とアポリポプロテインEイプシロン4遺伝型と,ある医学的状況は,認知機能低下のリスク増強と関連している.栄養学的因子と認知機能・体力と他のレジャー活動が,有益な効果と関係するというエビデンスは限られていた.1つの無作為化試験によれば,小さいが持続する有益な効果が認知機能訓練によって得られることがわかった.また,他の無作為化試験で,身体的運動によって認知機能が維持されると示す研究があった.
(翻訳:西岡亮治)
論評(Editorials)
若年者の心血管リスク:二次的あるいは根本的な予防?
Cardiovascular Risk in Young Persons: Secondary or Primordial Prevention?
Gerald S. Berenson and Sathanur R. Srinivasan
本号において,Pletcherと同僚らは,青年期の脂質異常値と20年後の冠動脈石灰化との関連について報告している.この論評は,若年者の脂質異常症がもたらす将来の帰結に関して入手可能なエビデンスをレビューしており,青年でのコレステロールレベルの重要性は不明確だとしている研究者らの記述に異を唱えている.
(翻訳:小山雄太)


生存者権は21世紀の集中治療における決定的な課題になる
Survivorship Will Be the Defining Challenge of Critical Care in the 21st Century
Theodore J. Iwashyna
本号においてUnroeと同僚らは,長期的な人工換気ののちに退院した患者が,特に身体および認知障害という点で直面する複雑さについて記載している.この論評では,集中治療を乗り切った患者の経験をよりよいものにするために,我々は癌に打ち勝った患者の経験から学ぶことができると提案しており,また患者の身体および認知機能の維持を重視することを主張している.
(翻訳:小山雄太)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
血清脂質値の異常は若年成人において有害か?
Are Abnormal Lipid Levels Harmful in Young Adults?
(翻訳:加藤秀章)
2年間にわたる減量の比較―低炭水化物食か低脂肪食か―
Comparison of Weight Loss at 2 Years on a Low-Carbohydrate Versus Low-Fat Diet
(翻訳:櫻井政寿)
平均より長く人工呼吸器が必要な患者に何が起きるのか
What Happens to People Who Need a Breathing Machine for More Than a Few Days?
(翻訳:松田正典)
クリニックにて(In the Clinic)
脂質異常症
Dyslipidemia
(翻訳:新谷英滋)
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