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原著(ARTICLE)
医療過誤開示プログラム施行前後における賠償責任の要求と費用の変化
Liability Claims and Costs Before and After Implementation of a Medical Error Disclosure Program
Allen Kachalia, MD, JD; Samuel R. Kaufman, MA; Richard Boothman, JD; Susan Anderson, MBA, MSN; Kathleen Welch, MS, MPH; Sanjay Saint, MD, MPH; and Mary A.M. Rogers, PhD
17 August 2010 | Volume 153 Issue 4 | Pages 213-221
背景: ミシガン大学ヘルスシステム(UMHS)は,2001年より医療過誤について全て公開し患者への補償を提供している.

目的: UMHS補償つき開示プログラム施行の前後における賠償責任の要求と費用を比較すること.

研究デザイン: 1995年から2007年までの後ろ向き前後比較研究.

セッティング: 公的な大学病院と医療管理システム.

患者: UMHSになされたクレームに関係する入院および外来患者.

測定: 補償を求める新規のクレームおよび補償されたクレームの件数,クレームが解決されるまでの時間,クレームに関連した費用.

結果: 補償つき開示プログラムの完全施行以降,新規のクレームの月平均発生率は患者10万人あたり7.03から4.52に減少した(率比[RR]0.64[95%CI,0.44〜0.55]).訴訟の月平均発生率も患者10万人あたり2.13から0.75に減少した(RR0.35[CI,0.22〜0.58]).クレームの報告から解決までにかかった期間の中央値は1.36年から0.95年に短縮した.月あたりの平均費用の割合は,法的責任に関する全費用(RR0.41[CI,0.26〜0.66]),患者補償(RR0.41[CI,0.26〜0.67]),補償に関連しない法的費用(RR0.39[CI,0.22〜0.67])において減少していた.

研究の限界: この研究デザインでは因果関係を立証できない.研究期間の後半,ミシガン州では全般的に医療過誤が減少していた.UMHSが専属の保険会社により補償される閉鎖したモデルで,頻繁に法的責任を負っていることを考えた場合,今回の結果は他のヘルスシステムには当てはまらないかもしれない.

結論: UMHSはクレームの件数や法的な費用を増加させることなく,補償つきの医療過誤完全開示システムを施行した.

主たる資金提供源: Blue Cross Blue Shield of Michigan Foundation

(翻訳:井口光孝)

English Abstract

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