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原著(ARTICLE)
慢性C型肝炎ウイルス感染患者の診療の質:コホート研究
Quality of Care in Patients With Chronic Hepatitis C Virus Infection: A Cohort Study
Fasiha Kanwal, MD, MSHS; Mark S. Schnitzler, PhD; Bruce R. Bacon, MD; Tuyen Hoang, PhD; Paula M. Buchanan, PhD; and Steven M. Asch, MD, MPH
17 August 2010 | Volume 153 Issue 4 | Pages 231-239
背景: メディケアは慢性C型肝炎ウイルス(HCV)感染患者の診療における診療の質を評価するための基準を提案している.しかし,実診療においてこの基準がどの程度満たされているかは全く不明である.

目的: HCV感染患者が受けている診療の質,および診療の質に関わる要素を評価する.

研究デザイン: 後ろ向きコホート研究.

設定: Nationwide U.S. health insurance company research database(訳注:全米健康保険業者リサーチデータベース).

対象者: 2003年から2006年の間にデータベースに登録されたHCV患者のうち,評価可能項目を1つでも有していた10385人.

観察方法: 2009年にメディケアより提案された,医療の質報告プログラムのなかに含まれているよく練成された7つの評価項目を用いて,HCV感染患者の診療の質を測定した.

結果: 診療の質を評価するための基準を満たした患者の割合はさまざまであった.ワクチンを接種された患者は21.5%であったのに対して,HCVジェノタイプ分析を受けた患者の割合は79%であった.全体的には,18.5%(95%CI,18%〜19%)の患者が推奨されたすべての基準を満たす診療を受けていた.高齢であること,併存疾患があることは診療の質が低いことと関連する一方,肝逸脱酵素の高値や肝硬変であること,HIVの重複感染は,診療の質の高さと関連していた.総合診療医と専門医双方から診療を受けている患者は最良の治療を受けていた(オッズ比は専門医単独の場合0.79[CI,0.66〜0.95],総合診療医単独の場合0.44[CI,0.40〜0.48])であった).

研究の限界: 後ろ向きの観察研究としてデザインされており,収集しやすい標本集団を用いている.また,人種に関する情報はない.指標や指標の報告を用いて観察を行っていて,診療の質そのものを検討しているのではない.これは,必ずしも理想的ではないかもしれない.

結論: メディケアの提案する基準に基づいて検討すると,HCV診療の質は理想的ではなかった.総合診療医と専門医の双方から診療を受けるということは最良の診療の質と関連していた.この結果はこの2者の協同が,HCV診療の質向上につながることを支持する.

主たる資金提供源: Saint Louis University Liver Center(訳注:セントルイス大学肝臓病センター)

(翻訳:山本智清)

English Abstract

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