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レビュー(Review)
系統的レビュー:回旋筋腱板断裂に対する非手術と手術治療
Systematic Review: Nonoperative and Operative Treatments for Rotator Cuff Tears
Jennifer C. Seida, MPH; Claire LeBlanc, MD; Janine R. Schouten, BSc; Shima S. Mousavi, MD; Lisa Hartling, PhD; Ben Vandermeer, MSc; Lisa Tjosvold, MLIS; and David M. Sheps, MD, MSc
17 August 2010 | Volume 153 Issue 4 | Pages 246-255
背景: 回旋筋腱板断裂の治療には様々な手法が存在している.

目的: 成人回旋筋腱板断裂患者の臨床的なアウトカムにおいて,非手術と手術処置の利点と欠点を比較すること.

情報源: 12の電子データベース(1990年から2009年9月まで),灰色文献,治験登録,文献リストを検索した.

研究の選択: 回旋筋腱板断裂と診断された成人に対して,非手術,手術治療,術後のリハビリを評価した比較試験・非比較試験を選択した.手術研究は英語で書かれたもの,非手術と術後のリハビリ研究は英語,フランス語,ドイツ語で書かれたものとした.研究は二重に評価された.

データ抽出: 2人のレビュアーが,Cochrane Risk of Bias tool とNewcastle-Ottawaスケールを用いて,バイアスのリスクを評価した.1人のレビュアーは,改訂GRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development, and Evaluation)を用いたエビデンスを評価した.データは,1人のレビュアーにより抽出され,他の人に検証された.

データ合成: 137の研究が適格基準に該当した.すべての研究が,高いバイアスリスクを持っていた.コホートと非比較試験は,中等度の質であった.直視下腱板修復術とmini-open修復術,mini-open修復術と関節鏡修復術,肩峰形成術を伴うか伴わないかの関節鏡修復術,およびsingle-rowとdouble-row腱板修復術の比較では,機能的アウトカムに違いがなかった.早期の職場復帰は,直視下腱板修復術と比較したmini-open修復術,および理学療法のみと比較した理学療法を伴う持続的受動運動で,報告されていた.直視下腱板修復術は,関節鏡下でのデブリードメントよりもより優れた機能回復を示した.合併症率は,すべての治療において低率であった.

研究の限界: しばしば質の低い,限られたエビデンスは,ほとんどの比較において結論を出すことを不可能にした.言語の制限は,いくつかの適切な研究を除外した可能性があり,選択的なアウトカムの報告はバイアスを招いたかもしれない.

結論: 回旋筋腱板断裂に対する様々な手術と非手術治療における比較効果と欠点についてのエビデンスは限られており,結論が出ないものであった.

主たる資金提供源: Agency for Healthcare Research and Quality(訳注:米国ヘルスケア研究・品質局-AHRQ).

(翻訳:金澤雅人)

English Abstract

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