Journals

(更新日 2010年9月21日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
7 September 2010 Volume 153 Issue 5
(監修:小野広一,総合監修:吉田直之)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Articles)
肝硬変患者におけるグルタミナーゼ遺伝子のプロモーター領域の変異と肝性脳症の出現に関して:コホート研究
Variations in the Promoter Region of the Glutaminase Gene and the Development of Hepatic Encephalopathy in Patients With Cirrhosis:A Cohort Study
Manuel Romero-Gómez, María Jover, José A. Del Campo, José L. Royo, Elena Hoyas, José J. Galán, Carmina Montoliu, Eugenia Baccaro, Mónica Guevara, Juan Córdoba, Germán Soriano, José M. Navarro, Carmen Martínez-Sierra, Lourdes Grande, Antonio Galindo, Emilia Mira, Santos Mañes, and Agustín Ruiz
肝性脳症は肝硬変の主要な合併症であり,その予後は不良である.肝疾患の重症度のみでは脳症の発症リスクが高い患者を正確には同定できない.本研究では,発展させたコホートでグルタミナーゼ遺伝子のTACC,CACCハプロタイプが肝性脳症の出現と関連していることを明らかにした.研究者らは実証コホートにおいてその結果を確認した.グルタミナーゼ遺伝子の本領域に関するさらなる理解が,脳症の発症リスクの高い患者を同定し,その治療に寄与する可能性がある.
(翻訳:今村隆明)
低炭水化物食と全死亡率および死因別死亡率:二つのコホート研究
Low-Carbohydrate Diets and All-Cause and Cause-Specific Mortality:Two Cohort Studies
Teresa T. Fung, Rob M. van Dam, Susan E. Hankinson, Meir Stampfer, Walter C. Willett, and Frank B. Hu
低炭水化物食と死亡率の関連を長期にわたって調べたデータはほとんどない.今回,前向きコホート研究で,Nurses' Health Study(訳注:看護師の健康調査)に参加した85,168人の女性とHealth Professionals' Follow-up Study(訳注:医療従事者追跡研究)に参加した44,548人の男性を最大26年間追跡した.動物性脂肪および蛋白質を重視した食事では,全死亡率,心血管死亡率,がん死亡率が高かった.一方,植物性脂肪および蛋白質を重視した食事では,全死亡率と心血管死亡率が低かった.
(翻訳:白山武司)
財政的誘因が貧困患者を診る病院へ与える影響
The Effect of Financial Incentives on Hospitals That Serve Poor Patients
Ashish K. Jha, E. John Orav, and Arnold M. Epstein
医療の質に応じた診療報酬システム(P4P)制度は多くの貧困患者を診察する病院とその他の病院の医療の質の差を広げてしまうという懸念もある.この研究では3年間にわたり,医療の質に応じた診療報酬システム制度のある251の病院と,そうでない3,017の病院との医療の質の変化を比較した.ベースライン時,貧困患者をみる病院の医療の質は他の病院よりも劣っていた.しかし,経過を追うと,貧困患者をみる医療の質に応じた診療報酬システム制度のある病院は,他の病院と同等の質になるのに対し,この制度がない病院では医療の質が劣ったままであった.
(翻訳:今井直彦)
安定冠動脈疾患に対する経皮的冠動脈インターベンションの恩恵についての患者と循環器内科医の理解
Patients' and Cardiologists' Perceptions of the Benefits of Percutaneous Coronary Intervention for Stable Coronary Disease
Michael B. Rothberg, Senthil K. Sivalingam, Javed Ashraf, Paul Visintainer, John Joelson, Reva Kleppel, Neelima Vallurupalli, and Marc J. Schweiger
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は狭心症の症状を軽減するが,心筋梗塞の危険性や発生を減少させるものではない.PCIの恩恵に対する患者と循環器内科医の考えを調べるこの調査は,循環器内科医の理解は入手可能な事実を反映しているが,患者のほとんどは,PCIが心筋梗塞の危険性や心筋梗塞による死亡を減らすといった症状の軽減以上の恩恵をもたらすと考えていたということを明らかにした.これらの観察結果は,慢性の安定狭心症患者へのPCI時のインフォームド・コンセントの議論の中で,予測される恩恵についてのより明確な情報を含める必要性を示唆する.
(翻訳:小出優史)
レビュー(Reviews)
大動脈弁狭窄症に対する経皮的弁置換術:エビデンスの現状
Percutaneous Heart Valve Replacement for Aortic Stenosis:State of the Evidence
Remy R. Coeytaux, John W. Williams, Jr., Rebecca N. Gray, and Andrew Wang
このレビューは,入手可能であった大動脈弁狭窄症に対する経皮的心臓弁置換術の論文をまとめている.76件の研究と2,375人の個別症例報告を含む84件の論文において,移植は94%の患者で成功し,30日生存率は89%であった.しかし著者らは,現在入手可能なエビデンスでは,経皮的心臓弁の最適な臨床的役割や,いずれこの治療が適用となる患者集団を明らかにするには不十分であると結論づけている.
(翻訳:岩永正子)
メタ解析:末梢動脈疾患における狭窄・閉塞の評価のための造影MR angiographyの正確性
Meta-analysis:Accuracy of Contrast-Enhanced Magnetic Resonance Angiography for Assessing Steno-occlusions in Peripheral Arterial Disease
Jan Menke and Jörg Larsen
末梢動脈疾患の症状を有する成人において,MR angiography対デジタルサブトラクション動脈造影の比較を行った32の前向き研究の系統的レビューでは,MR angiographyは動脈の狭窄・閉塞を95%の感度と,96%の特異度で診断・除外した.この方法は動脈の閉塞部位を95%正確に分類し,3%が過大評価,2%が過小評価していた.MR angiographyは下肢の末梢動脈疾患を診断するのに非常に正確な検査である.
(翻訳:加藤哲朗)
論評(Editorials)
我々の遺伝子に含まれる肝性脳症の遺伝子?
Hepatic Encephalopathy in Our Genes?
Jan Albrecht
この号では,Romero-Gómezと同僚らが,肝硬変患者の顕性肝性脳症の高リスクと関係するグルタミナーゼ遺伝子プロモーター領域のマイクロサテライトの同定について報告している.患者の遺伝子内に顕性肝性脳症のリスクが少なくとも一部存在するということの発見により,この頭を悩ませる状態をより至適に管理できるところに我々は近づけるかもしれない.
(翻訳:郷間 巌)


動物性にする,植物性にする,それとも・・・臨床試験にする?
Animal, Vegetable, or ... Clinical Trial?
William S. Yancy, Jr., Matthew L. Maciejewski, and Kevin A. Schulman
この号では,Fungと同僚らは,動物性脂肪および蛋白質を強化した食事と比較して,植物性の脂肪と蛋白質を強化した低炭水化物食が,全死亡率と心血管関連死亡率の減少に関連していることを示した.この論評ではこれらの結果を適切と判断する分析的および研究デザインの因子について強調するとともに,米国の公衆衛生上の最大の危機により明確な回答を得るための大規模臨床試験の必要性について議論している.
(翻訳:郷間 巌)


医療の質に応じた診療報酬システムは,貧困者から搾取し金持ちに還元しているのか?
Does Pay-for-Performance Steal From the Poor and Give to the Rich?
Rachel M. Werner
この号で,Jhaと同僚らは医療の質に応じた診療報酬システムがどのようにセーフティネット病院での診療の質に影響するかを調査した.貧しい患者が高い割合をしめるサンプルのすべての病院は研究開始時に質の低下を認めていたが,財政的誘因の3年後には,医療の質に応じた診療報酬システムの病院での診療格差は少なくなっていたものの,比較病院では改善を認めなかった.セーフティーネット供給者に対する診療改善の手助けに,この改善と動機付けをもたらした要因を理解することは,将来に向けて重要な試みである.
(翻訳:金原秀雄)


インフォームド・コンセントの質の改善:すべてのリスクが説明し尽くされていない
Improving the Quality of Informed Consent:It Is Not All About the Risks
Alicia Fernandez
この号では,Rothbergと同僚らが,結果次第で経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が施行される待機的血管造影検査に同意した153名の患者のうち,88%がPCIは心筋梗塞のリスクを減少させると誤って信じており,82%は心筋梗塞による死亡のリスクを減少させると信じていたことを報告している.インフォームド・コンセントは,我々に,患者に対して提供する治療のリスクについて従来行っている以上に説明することを要求している.すなわち,我々は,患者が予想される利益についても十分に理解していることを確認する必要がある.
(翻訳:小池竜司)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
一般的な心臓処置に対する患者と循環器内科医の認識
Patients' and Cardiologists' Beliefs About a Common Heart Procedure
(翻訳:池田賢一)
クリニックにて(In the Clinic)
急性副鼻腔炎
Acute Sinusitis
(翻訳:千原晋吾)
Annals Home Page

▲このページのTOPへ