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原著(ARTICLE)
低炭水化物食と全死亡率および死因別死亡率:二つのコホート研究
Low-Carbohydrate Diets and All-Cause and Cause-Specific Mortality:Two Cohort Studies
Teresa T. Fung, ScD; Rob M. van Dam, PhD; Susan E. Hankinson, ScD; Meir Stampfer, MD, DrPH; Walter C. Willett, MD, DrPH; and Frank B. Hu, MD, PhD
7 September 2010 | Volume 153 Issue 5 | Pages 289-298
背景: 低炭水化物食と死亡率の関連を長期にわたって調べたデータはほとんどない.

目的: 低炭水化物食と死亡率との関連を女性26年間,男性20年間の追跡で調査すること

研究デザイン: 女性は1980年から,男性は1986年から,いずれも2006年まで追跡した前向きコホート研究.動物ベース(動物性脂肪と蛋白質を重視した評価),または植物ベース(植物性脂肪と蛋白質を重視した評価)の低炭水化物食スコアを,追跡中に評価され数回変更を加えた妥当性のある食事摂取頻度質問票から計算した.

セッティング: Nurses' Health Study(訳注:看護師の健康調査)とHealth Professionals' Follow-up Study(訳注:医療従事者追跡研究)

対象: 心疾患,がん,糖尿病がない,85,168人の女性(開始時年齢34歳から59歳)と44,548人の男性(開始時年齢40歳から75歳)

測定: 女性では12,555人の死亡(2,458人の心血管関連死と5,780人のがん関連死),男性では8,678人の死亡(2,746人の心血管関連死,2,960人のがん関連死)が判明した.

結果: 全データの統合分析では,低炭水化物食全体のスコア増で,全死亡率が軽度増加した(スコアの最低ランク10%と最高ランク10%のグループを比較したハザード比[HR],1.12[95%CI,1.01〜1.24];傾向検定P値0.136).動物ベースの低炭水化物食スコアが高いほど,全死亡(最低10%と最高10%を比較した統合ハザード比,1.23[CI,1.11〜1.37];傾向検定P値0.051),心血管死亡(同様にHR,1.14[CI,1.01〜1.29];傾向検定P値0.029),がん死亡(同様にHR,1.28[CI,1.02〜1.60];傾向検定P値0.089)が高かった.逆に,植物ベースの低炭水化物食スコアが高いほど,全死亡(HR,0.80[CI,0.75〜0.85];傾向検定P値≤0.001)と心血管死(HR,0.77[CI,0.68〜0.87];傾向検定P値<0.001)が低かった.

研究の限界: 食事と生活スタイルの評価には一定の割合で誤差を伴う.感度分析を行うと,今回の結果は,除外しきれない交絡要因や測定しなかった交絡因子にあまり大きくは影響されていないと思われる.研究対象者は,アメリカ人全体を母集団として抽出されたものではない.

結論: 動物食をベースとする低炭水化物食では,男女ともに全死亡が高かった.一方,植物食をベースとする低炭水化物食では,全死亡率と心血管死亡率が低下した.

主たる資金提供源: National Institute of Health(訳注:[米]国立衛生研究所)

(翻訳:白山武司)

English Abstract

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