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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
終末期にはもっと痛みが強くなると報告するのは誰?
Who Reports Having More Pain at the End of Life?
2 November 2010 | Volume 153 Issue 9 | Pages I-30
「患者さんへのまとめ」は,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
終末期の疼痛は誰にとっても大きな恐怖ですが,終末期に何が疼痛を悪化させるのか,まだ十分にはわかっていません.瀕死の状態にある人の疼痛についての研究は,その多くが,癌患者やホスピス患者のように安らぎや疼痛軽減を主なケアとする特別な患者について行われたものです.他の研究では,故人や臨死状態にある身内が最期の1か月に経験した疼痛について家族から聞いていますが,これらの報告は愛する家族が抱いた感情によって左右されています.さらに,これらの研究は一般的に全国調査に基づいておらず,臨床的に終末期における中等度から有意な疼痛に対する患者の経験を十分反映しているとは言えません.

この研究の目的は何ですか?
著者らは,死亡の2年以内にインタビューを受けた患者を求め,2年ごとの全国調査で得られた情報を用いました.彼らは,最後にインタビューを受けた死亡1か月前に基づいて24組の患者を調査しました.また,中等度から重度の疼痛を有する患者の割合を調べ,臨床的に有意な疼痛を有することと関連のある疾患や患者の特徴も調査しました.

どのような人たちが試験の対象になっていますか?
地域に居住し,老人ホームなどの施設には住んでいない全国の人々が調査対象になりました.

どのような研究がおこなわれましたか?
患者へのインタビューは,ほとんど電話で行われました.参加者の約20%では,家族か友人が回答しました.

この研究からどのような結論が出ましたか?
この研究では,4,700人以上に至る患者の中で約25%が臨床的に有意な疼痛を有していました.しかし,有意な疼痛を経験した患者の割合は死亡前の4か月にほぼ50%にまで増加していました.疼痛の総量に影響を与えた最も重要な因子の一つは,患者が関節炎を有することでした.驚くべきことに,例えば心疾患や癌のような死亡理由は,疼痛の総量の重要な差には関与していませんでした.

この研究にはどのような限界がありますか?
疼痛の治療に関する情報は得られておらず,個別の患者で長期間にわたって疼痛がどう変化したのか観察されていません.関節炎を有していたという患者は,何か別の疼痛があるため誤って関節炎だと考えていたのかもしれません.

この研究の意義はどのようなものでしょうか?
医師と患者は死が近い状況を考えるのが苦手なので,人生の残り数か月よりずっと以前から疼痛とそれを和らげる方法について話し合っておくことが大事です.関節炎は疼痛や死亡の重要な原因となることがあり,死に至るかなり前からライフスタイルを変えることで軽減できるかもしれません.

(翻訳:小山雄太)

English Abstract

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