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レビュー(Review)
メタ解析:予防的植え込み型除細動器の至適年齢と有効性
Meta-analysis: Age and Effectiveness of Prophylactic Implantable Cardioverter-Defibrillators
Pasquale Santangeli, MD; Luigi Di Biase, MD; Antonio Dello Russo, MD; Michela Casella, MD; Stefano Bartoletti, MD; Pietro Santarelli, MD; Gemma Pelargonio, MD; and Andrea Natale, MD
2 November 2010 | Volume 153 Issue 9 | Pages 592-599
背景: 複数の臨床試験において,心臓突然死の一次予防に植え込み型除細動器が有用であることが証明されている.

目的: 植え込み型除細動器と標準的薬物療法における重度左心不全患者の心臓突然死に対する一次予防効果を,年齢層別に要約することを目的とした.

情報源: MEDLINE,Embase(訳注:Elsevier Science社が作成する医学・薬学文献データベース),BioMed CENTRAL(訳注:独立系出版社によるデータベース),Cardiosource(訳注:米国心臓病学会が作成する医学・薬学文献データベース),ClinicalTrials.gov(訳注:政府登録臨床試験データベース)とISI Web of Science(訳注:学術文献データベース)を1970年1月から2010年4月の範囲内で言語制限をかけずに検索した.

研究の選択: 本研究に利害関係がない2名のレビュアーが重度左心不全患者に対する予防的植え込み型除細動器もしくは薬物療法に関する無作為化と対照臨床試験の表題と抄録を選択し,年齢層毎の死亡率についての資料を提供した.

データ抽出: そのレビュアー2名は臨床試験に係わる偏見の危険性を評価し,患者と研究特性や全死因死亡に関係するハザード比を抽出した.

データ合成: 5臨床試験(MADIT-II,DEFINITE,DINAMIT,SCD-HeFT,IRIS)と5,783名の患者(44%は高齢者)が選抜された.急性心筋梗塞直後の患者も対象とした2個の臨床試験(DINAMITとIRIS)は最初の段階で除外したが,予防的植え込み型除細動器は若い患者の死亡率を軽減した(ハザード比,0.65[95%CI,0.50〜0.83];p<0.001).高齢者においては,統計学的に有意差のない,わずかな生存率の改善がみられた(ハザード比,0.81[95%CI,0.62〜1.05];p=0.11).DINAMITとIRISのデータを再挿入してもこれらの結果は変わらなかった.

研究の限界: エントリー可能な他の4臨床試験は,年齢による死亡率データが使えないためメタ解析に含んでいない.解析に年齢の異なる患者が加わることでの薬物療法と併発状態との差異の補正は不可能である.

結論: 左心機能が重度に低下した高齢者の予後の改善には,予防的植え込み型除細動器が良いという結果にはならなかった.

主たる資金提供源: なし.

(翻訳:中村浩士)

English Abstract

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