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(更新日 2011年1月24日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
4 January 2011 Volume 154 Issue 1
(監修:菅野義彦,総合監修:宇野久光)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Original Research)
心房細動の脳卒中予防におけるダビガトランとワルファリンの費用対効果の比較
Cost-Effectiveness of Dabigatran Compared With Warfarin for Stroke Prevention in Atrial Fibrillation
James V. Freeman, Ruo P. Zhu, Douglas K. Owens, Alan M. Garber, David W. Hutton, Alan S. Go, Paul J. Wang, and Mintu P. Turakhia
ダビガトランは心房細動患者における使用が承認されている.この解析では,65歳以上の非弁膜症性心房細動患者における,虚血性脳卒中予防に対するダビガトランと用量調整したワルファリンの質調整生存年,費用,および費用対効果を推定した.ワルファリンと比較した増分費用対効果比率は低用量ダビガトランで質調整生存年(QALY)あたり51229ドル,高用量ダビガトランでQALYあたり45372ドルであった.モデルはダビガトランの費用に影響されたが,他の入力項目には比較的影響を受けなかったことからダビガトランがワルファリンの代替薬として費用対効果に優れる可能性を示唆している.
(翻訳:笠巻祐二)
蛋白尿と推定糸球体濾過量を用いた慢性腎臓病患者のリスク分類:コホート研究
Using Proteinuria and Estimated Glomerular Filtration Rate to Classify Risk in Patients With Chronic Kidney Disease: A Cohort Study
Marcello Tonelli, Paul Muntner, Anita Lloyd, Braden J. Manns, Matthew T. James, Scott Klarenbach, Robert R. Quinn, Natasha Wiebe, and Brenda R. Hemmelgarn, for the Alberta Kidney Disease Network
Tonelliとその共同研究者は,慢性腎臓病(CKD)の新たなステージ分類法を開発した.推定糸球体濾過量(eGFR)と蛋白尿を合わせて用い,どのような患者が慢性腎臓病を悪化させるか予測するものである.eGFR単独のステージ分類と比較して,新しい方法は慢性腎臓病が悪化しない人を悪化するグループからより正確に再分類することができたようだ.eGFRに蛋白尿を加えることを考慮する新しいステージ分類法は,不必要な患者紹介を減らすが,腎不全に進行する一部の症例の患者紹介を遅らせるかもしれない.
(翻訳:西 慎一)
大腸内視鏡検査による大腸癌の予防:住民母集団をベースとした症例対照研究
Protection From Colorectal Cancer After Colonoscopy: A Population-Based, Case-Control Study
Hermann Brenner, Jenny Chang-Claude, Christoph M. Seiler, Alexander Rickert, and Michael Hoffmeister
住民母集団を対象として実施される大腸内視鏡検査の大腸癌予防程度については,明らかになっていない.ドイツにおける今回の研究では,直前10年間の大腸内視鏡検査は,大腸癌発生リスクを77%低下した.強力なリスク抑制が,ほとんどの大腸癌進行ステージと年齢において観察された.右側結腸と左側結腸の両方で,年月の進行とともに徐々にリスク軽減の度合いが増加した.
(翻訳:平野昌也)
後腹膜線維症に対するプレドニゾンとミコフェノール酸モフェチル併用療法:ケースシリーズ
Combined Prednisone and Mycophenolate Mofetil Treatment for Retroperitoneal Fibrosis: A Case Series
Paul J. Scheel Jr., Nancy Feeley, and Stephen M. Sozio
今回のケースシリーズでは,28名の後腹膜線維症患者が,プレドニゾンを1日40 mgで開始されたのち6か月かけて漸減,ミコフェノール酸モフェチル1,000 mgは1日2回,平均24.3か月投与された.すべての患者で全身症状が軽減した.89%の患者で大動脈周囲の塊の大きさが25%以上縮小した.上昇していた赤血球沈降速度や血清クレアチニン濃度,減少していたヘモグロビン値は全患者で正常化した.2症例で疾患が再発した.
(翻訳:赤真秀人)
医学と専門職(Academia and the Profession)
プライマリ・ケア卒後医学教育への薬物中毒医学の組み込み:時節到来
Integrating Addiction Medicine Into Graduate Medical Education in Primary Care: The Time Has Come
Patrick G. O'Connor, Julie G. Nyquist, and A. Thomas McLellan
臨床医が薬物性疾患を認識せず,そして結果として,患者に不適切な医療が行なわれるということがしばしば起きている.この認識不足に対処するため,Betty Ford Institute(訳註:ベティーフォード研究所)は専門家会議を招集した.そこでは,プライマリ・ケア研修プログラムの薬物乱用に関するトレーニングを向上させることに焦点を合わせた5つの提案がなされた.
(翻訳:川田秀一)
レビュー(Reviews)
系統的レビュー:進行大腸癌に対する抗EGF受容体治療の効果にKRAS遺伝子変異が及ぼす影響
Systematic Review: Anti-Epidermal Growth Factor Receptor Treatment Effect Modification by KRAS Mutations in Advanced Colorectal Cancer
Issa J. Dahabreh, Teruhiko Terasawa, Peter J. Castaldi, and Thomas A. Trikalinos
抗EGF受容体抗体を用いた進行大腸癌治療の予測バイオマーカーとして,KRAS遺伝子変異が研究された.本レビューではKRAS遺伝子変異の状況が,進行大腸癌に対する抗EGF受容体治療を主体とした治療の効果に影響を及ぼすかどうか,そして,KRAS遺伝子変異の状況で臨床アウトカムが予測できるかどうかについて評価した.KRAS遺伝子変異陽性患者では,抗EGF受容体治療は最善の支援治療や細胞障害性化学療法と比較して,全生存や疾患進行のない生存について有意な利点は見られなかった.しかしながら,KRAS遺伝子が野生型の患者では抗EGF受容体治療が有用とする根拠がある.
(翻訳:大島康雄)
研究と報告の方法(Research and Reporting Methods)
無作為化比較試験の報告における以前の研究の引用に関する系統的調査
A Systematic Examination of the Citation of Prior Research in Reports of Randomized, Controlled Trials
Karen A. Robinson and Steven N. Goodman
本研究は以前の試験から得られたエビデンスがその後の無作為化比較試験(RCTs)の論文の中で,しばしば無視されていることを示唆する.4つかそれ以上の試験を解析した2004年に発表された227のメタ解析を対象とした本レビューは,メタ解析に含まれたそれぞれの報告が,1年以上先行した試験を引用したかどうかを評価した.その結果関連性のある試験の4分の1未満しか引用されていなかった.5つかそれ以上の関連のある以前の試験を有する1,101のRCTsのうち,23%は全く引用せず,23%は1つのみを引用していた.関連のある以前の研究の引用が欠如したことの説明と結果を調査するための研究が必要である.
(翻訳:こう康博)
見解と意見(Ideas and Opinions)
患者中心医療地区へようこそ
Welcome to the Patient-Centered Medical Neighborhood
Christine Laine
近年,American College of Physicians(訳注:米国内科学会-ACP)の患者中心医療施設地区(PCMH-N)の政策方針書には,医療提供の改善を図るため,患者中心医療施設(PCMHs)が専門医教育と共にどう関わるべきかという概要が記されている.この号ではACP・PCMH-Nの政策方針書に掲載された一般内科医と専門医からのコメントを紹介する.
(翻訳:勝田秀紀)

患者中心医療施設地区:プライマリ・ケア医の視点
The Patient-Centered Medical Home Neighbor: A Primary Care Physician's View
Christine A. Sinsky
Sinsky医師はPCMH-Nsが,我々を複雑な患者ケアを改善する方向に動かすと感じている.しかしながら,機能的PCMH-Nsにある包埋された個別化PCMHsを取り囲む米国ヘルスケアシステム変換には,よりよい職員配置モデルや,強力な電子情報機器,支払い範囲内の質と効果に見合った意欲,そして多くの患者と患者家族と地域が強力に結びつく文化が必要であろう.
(翻訳:勝田秀紀)
患者中心医療地区:専門医の視点
The Patient-Centered Medical Home Neighbor: A Subspecialty Physician's View
Hal F. Yee Jr.
Dr. Yeeは患者中心医療地区(PCMH-Ns)をケアの連携や質の向上に向けた重要なステップと見なしている.しかし,高機能医療地区を構築するには改善の余地がある.PCMHsとPCMH-Nsの間で提案される新たな診療連携の形は,従来の診療所訪問に依存せず,革新的に相互関連するよう拡張しなければならず,推奨されるケアの連携の合意はより標準化する必要があり,PCMHとPCMH-Nの実践の間で本物の議論が実現されなければならない.
(翻訳:吉井康裕)
論評(Editorials)
慢性腎臓病の分類:一歩前進
Classification of Chronic Kidney Disease: A Step Forward
Andrew S. Levey, Navdeep Tangri, and Lesley A. Stevens
この号では,Tonelliとその同僚らは,慢性腎臓病の患者のための推算糸球体濾過量(eGFR)と蛋白尿を組み合わせた新しい分類法を,eGFRだけを考慮する現行のシステムと比較した.論説員はGFRのステージに蛋白尿を加えるとCKDの予後をより詳細に予測できると結論づけたが,予後を測定する手段を使用することでCKDの管理や患者のアウトカムを改善するか,さらに研究が必要である.
(翻訳:吉井康裕)


大腸内視鏡検査:何が真実に結びつくのか?
Colonoscopy: What Does It Take to Get It "Right"?
David S. Weinberg
この号に掲載されたBrennerとその同僚の研究は,大腸内視鏡検査が左側だけでなく右側の結腸直腸癌に対して実質上の予防効果があることを示し,我々に安心を与えてくれた.編集委員は,今回の結果と違い,なぜ最近の研究では期待しているよりも低い確率の結腸直腸癌予防効果を示したのかを議論し,さらに癌の発見と予防に内視鏡検査の質が重要であることをコメントした.
(翻訳:宮崎泰成)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
大腸内視鏡検査による大腸がん対策
Protection Against Colorectal Cancer With Colonoscopy
(翻訳:菊地基雄)
クリニックにて(In the Clinic)
一過性脳虚血発作
Transient Ischemic Attack
(翻訳:宮崎泰成)
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