Journals

原著(Original Research)
蛋白尿と推定糸球体濾過量を用いた慢性腎臓病患者のリスク分類:コホート研究
Using Proteinuria and Estimated Glomerular Filtration Rate to Classify Risk in Patients With Chronic Kidney Disease: A Cohort Study
Marcello Tonelli, MD, SM; Paul Muntner, PhD; Anita Lloyd, MSc; Braden J. Manns, MD, MSc; Matthew T. James, MD; Scott Klarenbach, MD, MSc; Robert R. Quinn, MD, PhD; Natasha Wiebe, MMath, PStat; and Brenda R. Hemmelgarn, MD, PhD, for the Alberta Kidney Disease Network
4 January 2011 | Volume 154 Issue 1 | Pages 12-21
背景: 慢性腎臓病のステージ分類法は,ほぼ推定糸球体濾過量(eGFR)のみに依存しているが,蛋白尿も慢性腎臓病の悪化に関連している.

目的: eGFと蛋白尿を併用したリスク層別化による5段階カテゴリーの有用性を確認する.

研究デザイン: 後ろ向きコホート研究

セッティング: カナダ,アルバータ州調査レジストリーと米国の入院していない成人から無作為に抽出したサンプル.

患者: 474,521人の成人外来患者,51,356人と460,623人の2つの独立した内的妥当性検証コホート集団,一つの14,358人の外的妥当性検証コホート集団より導出されたデータ集団.

測定: Modification of Diet in Renal Disease(MDRD)式により算出されたeGFRと尿アルブミン/クレアチニン比あるいは試験紙法により測定された蛋白尿.アウトカムは全死亡と腎死または血清クレアチニン値2倍化を含む複合腎アウトカム.

結果: 平均38か月以上の観察期間において内的妥当性検証コホート集団では,高度危険カテゴリー群(低eGFRまたは高蛋白尿)では複合腎アウトカムに対するリスクグレードが高かった.現行のステージ分類ではステージ3及び4に振り分けられる米国成人は1,630万人であったのに比し,新しいカテゴリー分類法でリスクカテゴリー3及び4に振り分けられる米国成人は390万人であった.新しい分類システムは,複合腎アウトカムに至る人より,至らなかった人をより正確に再分類することができるようだが,一部の人は低リスクカテゴリーに再分類されても複合腎アウトカムに至った.しかし新しく低リスクカテゴリーに分類された全体例では,複合腎アウトカムに至らなかった人に比し,至った人は実際には殆どいない状況だった.新分類システムによる再分類は,尿蛋白を試験紙法よりアルブミン/クレアチニン比で測定した時により確からしく,そして全死亡より複合腎アウトカムの予測に適しているようであった.

研究の限界: 研究観察期間が短かった.

結論: eGFRと蛋白尿を併用する方法は,腎不全に進行する一部の症例の患者紹介をしないか遅らせるという犠牲をはらうものの不必要な患者紹介を減らすかもしれない.

主たる資金提供源: Alberta Heritage Foundation for Medical Research interdisciplinary research team grant.

(翻訳:西 慎一)

English Abstract

▲このページのTOPへ