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原著(Original Research)
大腸内視鏡検査による大腸癌の予防:住民母集団をベースとした症例対照研究
Protection From Colorectal Cancer After Colonoscopy: A Population-Based, Case-Control Study
Hermann Brenner, MD, MPH; Jenny Chang-Claude, PhD; Christoph M. Seiler, MD, MSc; Alexander Rickert, MD; and Michael Hoffmeister, PhD
4 January 2011 2011 | Volume 154 Issue 1 | Pages 22-30
背景: 腺腫の確認と摘除を併用する大腸内視鏡検査は,大腸癌発生抑制のための強力なツールと考えられている.しかしながら,高精度の大腸内視鏡検査実施能力を有する特定地区において,住民母集団をベースとした大腸癌発生抑制程度は,これまで定量的に評価されていない.

目的: 過去に実施された大腸内視鏡検査と大腸癌リスクの関連性を評価すること.

研究デザイン: 住民母集団をベースとした症例対照研究.

セッティング: ドイツ・ラインネッカー地区.

患者: 大腸癌に罹患した合計1,680人と50歳以上のコントロール参加者1,932人.

測定: 大腸内視鏡検査歴とその結果・医療データ・大腸癌の危険因子と予防因子に関する詳細な生活歴が,自己申告と診療記録から得られた.性,年齢,教育レベル,一般検診の受診,大腸癌家族歴,喫煙状況,BMI,非ステロイド性抗炎症薬やホルモン補充療法の使用などで補正後の,直前10年間の大腸内視鏡検査の有無による大腸癌発症のオッズ比を算出した.

結果: 全体として,直前10年間の大腸内視鏡検査は大腸癌リスクを77%低下させた.調整オッズ比は,全体大腸癌,右側大腸癌,左側大腸癌それぞれ0.23(95% CI,0.19〜0.27),0.44(CI,0.35〜0.55)そして0.16(CI,0.12〜0.20)であった.50から59歳の右側大腸癌患者を除いて,すべての癌ステージと年齢において強力な抑制が観察された.右側大腸癌および左側大腸癌両方で年月とともにリスク抑制が増加した.

研究の限界: 残差交絡バイアスと選択バイアスの恐れのある観察研究である.

結論: 住民母集団をベースにして,ポリペクトミーを併用した大腸内視鏡検査は,大腸癌リスクを強力に抑制した.左側大腸癌に関しての強い抑制に加えて,右側大腸癌についても50%以上の抑制が見られた.

主たる資金提供源: German Research Council(訳注:ドイツ研究委員会) German Federal Ministry of Education and Research(訳注:ドイツ連邦教育研究省).

(翻訳:平野昌也)

English Abstract

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