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患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
大腸内視鏡検査による大腸がん対策
Protection Against Colorectal Cancer With Colonoscopy
4 January 2011 2011 | Volume 154 Issue 1 | Pages I-24
「患者さんへのまとめ」は,患者さんが近代医学の複雑でしばしば迷わすような用語をよりよく理解することを助けるためにAnnals誌によって提供されるサービスです.

「患者さんへのまとめ」は情報を提供する目的だけのために提示されています.これらの「まとめ」はあなた自身のかかりつけ医からの助言の代わりとなるものではありません.もしあなたが,この題材について疑問を持ったり,あなた自身の健康あるいは状況についての医学的助言を必要とする場合は,あなたのかかりつけ医と連絡をとってください.「まとめ」は非営利的な教育目的のためだけに転載されても構いません.他の用途への使用については,米国内科学会(ACP)によって承認されなければなりません.

何が問題であり,これまでにどのようなことが分かっていますか?
世界中で毎年100万人以上が大腸直腸がん(CRC)と診断され,50万人以上がこの疾患で死亡しています.大腸内視鏡検査は,結腸と直腸を精査したりがんに進行する恐れのある病変を切除したりするためにファイバースコープを用いますが,50歳以上の方(または高いCRCのリスクのある若年者)に実施することが推奨されています.高度に標準化された条件のもとでは,大腸内視鏡検査の施行はCRCのリスクの低下と関連しています.

この研究の目的は何ですか?
大腸内視鏡検査が,典型的な「現実社会」の地域を基盤とした診療の現場において実施される場合に,検査によるCRCの減少とも関連するのか調査することです.

どのような人たちが試験の対象になっていますか?
ドイツ南西部に居住するCRCに罹患した50歳以上の1688人と,同様の年齢,性別で健常な1932人です.

どのような研究がおこなわれましたか?
研究の参加者に過去10年間に大腸内視鏡検査を受けたか質問し,診断時点でのがんの進行度など重要で詳細な情報を検討するため診療記録を収集しました.

この研究からどのような結論が出ましたか?
過去10年間に大腸内視鏡検査を受けた人たちにおいては,CRCのリスクは有意に減少していました.早期がんおよび進行がんのリスクは50%以上低下しました.CRCのリスクの低下は,(より肛門に近く,そのために大腸内視鏡検査では容易に到達しやすい)左側結腸に発症するがん,および(到達するのがより困難な)右側結腸で発症するがんについても認めました.

この研究にはどのような限界がありますか?
研究者らは過去の大腸内視鏡検査について参加者の記憶に頼らざるをえませんでした.さらに,大腸がんを発症するかどうかに関連する可能性があるものの,この研究では測定されなかった因子がCRCリスクの低下の原因かもしれません.

この研究の意義はどのようなものでしょうか?
典型的な「現実社会」の地域診療の現場において,大腸内視鏡検査を実施することは,CRCに対する極めて有用な対策になると考えられます.

(翻訳:菊地基雄)

English Abstract

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