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原著(Original Research)
文化的に適切な経験談が血圧を改善する:無作為化試験
Culturally Appropriate Storytelling to Improve Blood Pressure: A Randomized Trial
Thomas K. Houston, MD, MPH; Jeroan J. Allison, MD, MSc; Marc Sussman, MHA; Wendy Horn, PhD; Cheryl L. Holt, PhD; John Trobaugh, MFA; Maribel Salas, MD, PhD; Maria Pisu, PhD; Yendelela L. Cuffee, MPH; Damien Larkin, MA; Sharina D. Person, PhD; Bruce Barton, PhD; Catarina I. Kiefe, PhD, MD; and Sandral Hullett, MD, MPH
18 January 2011 | Volume 154 Issue 2 | Pages 77-84
背景: 不健康になりがちな人々の健康増進には,経験談が新たに有効な手段となりつつある.しかしながら,この治療介入の詳細な検討はほとんどなされていない.

目的: DVDを含む双方向の経験談による介入を検討する.

研究デザイン: 対照患者が注意制御DVDを受け取る無作為化比較試験.血圧コントロールが良好,または不良である高血圧患者に,独立した無作為割り付けが行われた.(臨床試験登録番号:NCT00875225)

セッティング: 米国南部における都心のセーフティネット医療機関.

患者: 230例のアフリカ系アメリカ人の高血圧患者

介入: 患者の経験を含んだ3種類のDVD.語り手は患者の中から選ばれた.

測定: アウトカムは,開始時,3か月後,6ないし9か月後における,対照群と比較した介入群での血圧変化.

結果: 2007年12月から2008年5月の間に,299例のアフリカ系アメリカ人が無作為に割り付けられ,その76.9%の全経過が追跡された.患者のほとんどが女性で(71.4%),平均年齢は53.7歳だった.開始時の平均収縮期・拡張期血圧は両群間で差はなかった.開始時に血圧コントロールが不良であった患者では,3か月後の収縮期(11.21 mm Hg[95% CI,2.51〜19.9 mm Hg]; P=0.012)および拡張期(6.43 mm Hg[CI,1.49〜11.45 mm Hg]; P=0.012)血圧ともに介入群で低下がみられた.開始時に血圧コントロールが良好であった患者では,経過を通じて両群間で差はなかった.両群の血圧はその後上昇したが,群間差は比較的一定あった.

研究の限界: 単一施設研究であり,わずか6か月の追跡期間に23%の脱落があった.

結論: 介入前にコントロール不良であった高血圧患者において,経験談による介入が,かなり有意な血圧改善をもたらした.

主たる資金提供源: Finding Answers: Disparities Research for Change, a national program of the Robert Wood Johnson Foundation(訳注:Robert Wood Johnson基金国家プロジェクトの格差是正研究)

(翻訳:塩田哲也)

English Abstract

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