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原著(Original Research)
基礎インスリン治療中の2型糖尿病患者に対する1日2回のエキセナチド使用:無作為化比較試験
Use of Twice-Daily Exenatide in Basal Insulin-Treated Patients With Type 2 Diabetes: A Randomized, Controlled Trial
John B. Buse, MD, PhD; Richard M. Bergenstal, MD; Leonard C. Glass, MD; Cory R. Heilmann, PhD; Michelle S. Lewis, PhD; Anita Y.M. Kwan, MS; Byron J. Hoogwerf, MD; and Julio Rosenstock, MD
18 January 2011 | Volume 154 Issue 2 | Pages 103-112
背景: 糖尿病に対するインスリン治療では,目標ヘモグロビンA1c到達の為に食事介入が必要である.

目的: 1日2回のエキセナチド注射がインスリングラルギン治療中のプラセボ群に比し,ヘモグロビンA1cを低下させるかどうかを検討すること.

研究デザイン: 各施設のヘモグロビンA1cレベルでの割りあてと階層化がなされた,無作為化プラセボ対照並行群間試験が,2008年10月から2010年1月まで遂行された.参加者,治験責任医師と研究調査担当者には治療の割り付けは知らされていない.(臨床研究.政府登録番号:NCT00765817)

セッティング: 5か国の59施設

患者: インスリングラルギン治療単独かメトホルミンやピオグリタゾン(又は両者)を併用しているヘモグロビンA1cレベル7.1%〜10.5%の成人2型糖尿病患者

介入: 中央にて,コンピュータ処理し,ランダム系列音声自動応答システムによって,エキセナチド10μgの1日2回投与とプラセボの30週間の割り付けを行った.

測定: 一次アウトカムは,ヘモグロビンA1cレベルの変動.二次アウトカムは,ヘモグロビンA1cが7.0%以下と6.5%以下の割合,7回の自己血糖測定の経過,体重,腹囲,インスリン量,低血糖,および有害事象とした.

結果: エキセナチド投与の138名中112名とプラセボ投与123名中101名が試験を終了した.エキセナチド投与で,1.74%のヘモグロビンA1cレベルの低下,プラセボにて1.04%の低下を認めた(群間差,-0.69%[95% CI,-0.93%〜-0.46%];P<0.001).体重はエキセナチドにて1.8kg減少,プラセボにて1.0kg増加を認めた(群間差,-2.7kg[CI,-3.7〜-1.7]).エキセナチド投与によるインスリン量の平均増加量は1日13単位でプラセボでは1日20単位であった.軽度低血糖の推計頻度は両群間で同等であった.13名のエキセナチド投与者と1名プラセボは有害事象の為に試験を中断した(P<0.010);嘔気(41%vs.8%),下痢(18%vs.8%),嘔吐(18%vs.4%),頭痛(14%vs.4%),便秘(10%vs.2%)の頻度は,プラセボに比しエキセナチドで高かった.

研究の限界: 試験期間は短期間であった.ベースラインでの性別や血糖降下薬の併用やヘモグロビンA1cレベルという点で,両群間において僅かな不均衡を認めた.有害事象の為の逸脱がプラセボに比しエキセナチド投与者に多かった.

結論: 1日2回のエキセナチド注射の追加投与は,インスリングラルギン治療中の血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,低血糖や体重の増加を認めず血糖コントロールを改善することが示された.エキセナチドの有害事象は,嘔気,下痢,嘔吐,頭痛,便秘であった.

主たる資金供給源: Alliance of Eli Lilly and Company and Amylin Pharmaceuticals

(翻訳:金原秀雄)

English Abstract

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