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(更新日 2011年2月14日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
1 February 2011 Volume 154 Issue 3
(監修:安藤聡一郎,総合監修:吉田直之)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Original Research)
血液培養でルーチンに無菌の手袋を使用した場合のコンタミネーション率への効果:クラスター無作為化試験
Effect of Routine Sterile Gloving on Contamination Rates in Blood Culture: A Cluster Randomized Trial
Nak-Hyun Kim, Moonsuk Kim, Shinwon Lee, Na Ra Yun, Kye-Hyung Kim, Sang Won Park, Hong Bin Kim, Nam-Joong Kim, Eui-Chong Kim, Wan Beom Park, and Myoung-don Oh
血液培養でのコンタミネーションを減少させる点で無菌の手袋の効果は確かではなく,その使用を推奨しているプロトコールもあれば推奨していないものもある.この試験では,ひとつの施設における64人の研修医を,血液培養のサンプルを集めるための静脈穿刺をする間,ルーチンに無菌の手袋を使用するグループと本人の判断で無菌の手袋を使用するグループとに無作為に割り当てた.ルーチンに無菌の手袋を使用して施行された5,265回の血液培養と本人の判断で無菌の手袋を使用して施行された5,255回の血液培養でのコンタミネーション率は,それぞれ0.6%と1.1%であったことから,ルーチンに無菌の手袋を使用することは,血液培養でのコンタミネーションを減らす可能性が示唆された.
(翻訳:井田弘明)
急性虚血性脳卒中患者における死亡率の人種間差異:観察研究
Racial Differences in Mortality Among Patients With Acute Ischemic Stroke: An Observational Study
Ying Xian, Robert G. Holloway, Katia Noyes, Manish N. Shah, and Bruce Friedman
脳卒中発症後の生存が,白人患者より黒人患者で良好な機序は不明である.黒人5,319名と白人18,340名の急性脳卒中患者が含まれる本研究では,白人患者に比べて黒人患者は院内死亡率,30日および1年後の全死亡率が低かった.黒人患者は白人患者より生命維持治療を受ける傾向があり,ホスピスへの退院は少ない傾向であった.これらは,脳卒中黒人患者での低死亡率は生命維持治療を受ける比率の差によることを示唆している.
(翻訳:新沼廣幸)
病院の支出と入院患者死亡率:カリフォルニア州からのエビデンス:観察研究
Hospital Spending and Inpatient Mortality: Evidence From California: An Observational Study
John A. Romley, Anupam B. Jena, and Dana P. Goldman
病院の支出と患者アウトカムとの関係はよく分かっていない.本研究では,1999年から2008年にかけてカリフォルニア州の208病院から6つの主要な疾患のうちの一つで入院した2,545,352人の患者を対象に,病院支出とリスク調整後入院死亡率との関係を調べた.入院した病院の支出が多いほど,リスク調整後死亡率は低かった.地域や病院の規模によってこの相関にばらつきは認めなかった.
(翻訳:紺谷 真)
診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
推奨成人予防接種スケジュール:米国,2011年版
Recommended Adult Immunization Schedule: United States, 2011
Advisory Committee on Immunization Practices
The Advisory Committee on Immunization Practices(訳注:予防接種実施諮問委員会-ACIP)は,2011年版推奨成人予防接種スケジュールを発表した.これは2010年版スケジュールからの若干の変更を含む.このスケジュールはまた,American Academy of Family Physicians (訳注:米国家庭医学会),American College of Obstetricians and Gynecologists(訳注:米国産婦人科学会),American College of Physicians(訳注:米国内科学会-ACP)により承認された.
(翻訳:湯地晃一郎)


高価値でありかつコストを重視したヘルスケア:臨床医が医学的介入の治療効果,有害性および費用を評価するという概念
High-Value, Cost-Conscious Health Care: Concepts for Clinicians to Evaluate the Benefits, Harms, and Costs of Medical Interventions
Douglas K. Owens, Amir Qaseem, Roger Chou, Paul Shekelle, and for the Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians
ACP診療ガイドライン委員会は,高価値でありかつコストを重視したヘルスケアの概念を提案し,医療行為の価値を評価するための基礎となる主要な概念について議論している.著者らは,医療行為の価値を最重要視することが患者の予後と医療コストの両者の改善に結びつくと主張している.
(翻訳:田村功一)
腰痛の画像診断:American College of Physiciansからの価値の高いヘルスケアへの提案
Diagnostic Imaging for Low Back Pain: Advice for High-Value Health Care From the American College of Physicians
Roger Chou, Amir Qaseem, Douglas K. Owens, Paul Shekelle, and for the Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians
ACP(訳注:American College of Physicians,米国内科学会)の診療ガイドライン委員会では腰痛を訴える患者に対してルーチンな画像診断を行うことの意義は低いとしている.腰痛における画像診断は,重度進行性の神経学的脱落所見を有している場合や,重篤な,あるいは特別な基礎疾患の徴候,症状を呈していた場合にのみ施行の適応とされている.しかし,ルーチンの画像診断は臨床的有益性に結びつかず有害となることさえあるというエビデンスがあるにもかかわらず,こうした基準を満たさない患者の多くにルーチンの画像診断がなされている.ACP,American Pain Society(訳注:米国疼痛学会)が腰痛ガイドラインで示しているように,腰背部の画像診断を選択的に行うことで患者のアウトカムが改善し,費用軽減効果も認める可能性がある.
(翻訳:駒井俊彦)
皮膚癌予防への行動カウンセリング:the U.S. Preventive Services Task Forceのための系統的レビュー
Behavioral Counseling to Prevent Skin Cancer: A Systematic Review for the U.S. Preventive Services Task Force
Jennifer S. Lin, Michelle Eder, and Sheila Weinmann
2003年のthe U.S. Preventive Services Task Force(訳注:米国予防医療サービス専門作業部会)による,皮膚癌予防のための行動カウンセリングの推奨の更新を特徴づけるため,この系統的レビューでは2010年2月までの文献の検索を行った.日光曝露を減らす行動を促進するカウンセリングを厳格に行った試験は少なく,日焼け防止行動と皮膚癌の予後との関連性に関する研究は,紫外線曝露や日焼け止め使用の定量化が複雑なこと,そして交絡因子の不適切な調整によって限定されてしまうことが判明した.著書らは,プライマリ・ケアにおけるカウンセリングが,日光曝露と室内日焼けの使用を減らす行動を促すと結論付けた.
(翻訳:加藤哲朗)
論評(Editorials)
部分の総和は全体よりも大きい:血液培養のコンタミネーションを減少させる
The Sum of the Parts Is Greater Than the Whole: Reducing Blood Culture Contamination
Ji Yeon Kim and Eric S. Rosenberg
この号では,血液培養のサンプルを採取するために静脈穿刺を実施する際に無菌の手袋を日常的に用いるとコンタミネーションを起こす率が減少することを Kim とその同僚らが見いだしたとしている.論説委員たちは,このコンタミネーション率の減少を説明できるいろいろな原因と,我々がこの試験から学ぶことができる血液培養のコンタミネーションを減少させるための他の教訓について論じている.
(翻訳:西岡亮治)


予防接種2011:範囲の拡大と防御の強化
Immunization 2011: Expanding Coverage, Enhancing Protection
Sandra Adamson Fryhofer
Centers for Disease Control and Prevention(訳注:米国疾病予防管理センター)のACIP(訳注:予防接種実施諮問委員会)は,成人の予防接種スケジュールを年1回の改訂版として発行する.このスケジュールは,ACP(訳注:米国内科学会)を含む成人をケアする代表的な医師から成る,複数の主要な専門学会によって承認を受けている.それぞれの年代のスケジュールに加えられた変更は,我々のワクチンに関する知識とワクチンによって予防しうる病気に関する知識の進歩によって成されたものである.論説委員は,とくに今年のスケジュールの変更点を強調しており,ワクチンの重要性について重点を置いている.
(翻訳:西岡亮治)


医療行為の“コストに対する価値”の最大化:取り扱いに注意
"Value for Money": Use With Care
Michael K. Gusmano and Daniel Callahan
この号では,Owensと同僚らは医療行為の価値を最重要視することが患者の予後と医療コストの両者の改善に結びつくと提唱している.この論評では,高価値の医療の追求のための指針となる定義や概念についてのアカデミックディベートの重要性を強調している.しかし,同時に医療行為の“コストに対する価値”を最も高めることを目標とするやり方は,今後のさらなる検討が必要とされる多くの問題を提起しているということも強調している.
(翻訳:田村功一)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
高価値かつコスト意識の高いヘルスケア
High-Value, Cost-Conscious Health Care
(翻訳:中村浩士)
腰痛患者さんへの放射線検査:American College of Physiciansからの価値の高いヘルスケアの提案
Radiology Tests for Patients With Low Back Pain: High-Value Health Care Advice From the American College of Physicians
(翻訳:加藤秀章)
クリニックから(In the Clinic)
多嚢胞性卵巣症候群
The Polycystic Ovary Syndrome
(翻訳:澤木秀明)
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