Journals

原著(Original Research)
急性虚血性脳卒中患者における死亡率の人種間差異:観察研究
Racial Differences in Mortality Among Patients With Acute Ischemic Stroke: An Observational Study
Ying Xian, MD, PhD; Robert G. Holloway, MD, MPH; Katia Noyes, PhD, MPH; Manish N. Shah, MD, MPH; and Bruce Friedman, PhD, MPH
1 February 2011 | Volume 154 Issue 3 | Pages 152-159
背景: 黒人患者は一般的に脳卒中死亡率が高いと考えられている.しかし,最近のいくつかの論文は黒人脳卒中患者で良好な生存率を報告している.

目的: 脳卒中死亡率での人種間差異を検討し,これらの差異の原因を調べる.

研究デザイン: 観察コホート研究

セッティング: ニューヨークの164病院

対象: 2005年1月から2006年12月までに急性虚血性脳卒中で入院した黒人5,319名,白人18,340名.

測定: 死亡率について人種の影響を傾向スコア調整法で調べた.二次的アウトカムは終末期医療,組織プラスミノーゲン活性化因子の使用,入院費用および入院期間観点から求められた.患者は入院から1年間追跡調査された.

結果: 院内全死亡率は黒人患者では白人患者より低率であった(5.0% vs. 7.4%;P<0.001),同様に30日死亡率(6.1% vs. 11.4%;P<0.001)と1年後死亡率も同様であった(16.5% vs. 24.4%;P<0.001).傾向スコア調整後,黒人は病院死亡率(オッズ比[OR],0.77[95% CI,0.61〜0.98])と1年後の全死亡率(オッズ比,0.86[CI,0.77〜0.96])が独立して低率に関連していた.調整ハザード比0.87(CI,0.79〜0.96).院内死亡に関して調整後,黒人患者は生命維持治療をより受ける傾向があり,(オッズ比,1.22[CI,1.09〜1.38])しかしホスピスへの退院は少ない傾向であった(オッズ比,0.25[CI,0.14〜0.46]).

研究の限界: 本研究は脳卒中の重症度が不明な入院記録を使用していた.本研究では因果関係が不明であった.

結論: 急性虚血性脳卒中患者では,白人患者より黒人患者の方が低死亡率であった.このことは生命維持治療と終末期医療の受け方の差異による可能性がある.

主たる資金提供源: American Heart Association Founders Affiliate(訳注:米国心臓協会財団).

(翻訳:新沼廣幸)

English Abstract

▲このページのTOPへ