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原著(Original Research)
病院の支出と入院患者死亡率:カリフォルニア州からのエビデンス:観察研究
Hospital Spending and Inpatient Mortality: Evidence From California: An Observational Study
John A. Romley, PhD; Anupam B. Jena, MD, PhD; and Dana P. Goldman, PhD
1 February 2011 | Volume 154 Issue 3 | Pages 160-167
背景: 過去の研究では,メディケアの支出が高額だからといって地域レベルの健康アウトカムが必ずしも良くはない事が示されており,病院レベルでも支出の多さがより良い治療の質とは結びつかない事も示されている.一方,病院における支出と入院患者死亡率との関係はよく分かっていない.

目的: 病院の支出とリスク調整後入院死亡率との関連を調べること

研究デザイン: 後ろ向き観察研究

セッティング: The Dartmouth Atlas of Health Care(訳注:米国のThe Dartmouth Institute for Health Policy & Clinical Practiceがメディケアのデータを利用して作成している米国各地域のヘルスケアシステムに関するデータベース.http://www.dartmouthatlas.org/に含まれるカリフォルニア州における1999年から2008年の間の退院記録.208の病院が対象になった.

患者: 上記期間内に,下に示す6つの主要な疾患のうち1つで入院となった患者2,545,352人

測定: 様々なレベルの終末期医療支出を入院で受けた患者(訳注:今回使用したThe Dartmouth Atlas of Health Care2008年版では,死亡前2年間のメディケアにおける出来高払いの総額が追跡されている)における入院死亡率

結果: 6つの入院時診断-急性心筋梗塞,うっ血性心不全,急性脳卒中,胃消化管出血,大腿骨骨折,肺炎-いずれにおいても,支出が多い病院の方がリスク調整後死亡率は低かった.例えば,1999年から2003年にかけて急性心筋梗塞で入院した患者は,支出が五分位の最上位に位置する病院に入院した場合,最下位の病院とくらべて死亡率は有意に低かった(オッズ比0.862[95%CI,0.742〜0.983]).仮に五分位最上位の病院に入院していた患者が最下位の病院に入院した場合,入院死亡は1831人増加する計算になる.この病院支出と入院死亡率との関連は地域や病院規模にかかわらず認められた.

研究の限界: 観察されていない死亡予知因子が存在する可能性があり,入院中病院支出と入院死亡率の関連に不確定さを残す.

結論: 6つの主要疾患にて入院した患者において,より支出の多い病院のほうが入院死亡率はより低い.

主たる資金提供源: National Institute on Aging(訳注:[米]国立老化研究所)およびRAND Health Bing Center for Health Economics.(訳注:研究と分析により政策や意思決定の改善援助をミッションとする非営利組織であるRAND Corporationの一部門.保健経済と保健サービスに関する研究の援助等を行っている.http://www.rand.org/health/centers/bing.html.

(翻訳:紺谷 真)

English Abstract

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