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(更新日 2011年2月28日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
15 February 2011 Volume 154 Issue 4
(監修:松浦喜房,総合監修:宇野久光)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Original Research)
高齢米国人における肥満と変形性膝関節症が罹患率および死亡率に与える影響
Impact of Obesity and Knee Osteoarthritis on Morbidity and Mortality in Older Americans
Elena Losina, Rochelle P. Walensky, William M. Reichmann, Holly L. Holt, Hanna Gerlovin, Daniel H. Solomon, Joanne M. Jordan, David J. Hunter, Lisa G. Suter, Alexander M. Weinstein, A. David Paltiel, and Jeffrey N. Katz
肥満と変形性膝関節症は合併することが多い病態である.このモデル研究では,複数の全国的な情報源のデータに基づき,中高年米国人,特に黒人およびヒスパニック系女性において,変形性膝関節症と肥満により,生活の質を調整した生存年(QALYs)のかなりの損失が生じることを示した.このモデルでは,肥満患者数を10年前のレベルに戻すことで何十万人もの冠動脈疾患や糖尿病や膝関節置換術を受ける症例を防ぎ,余命の改善をもたらすと算出した.
(翻訳:小池竜司)
外来冠動脈疾患患者に対する診療質評価の電子カルテにおける例外
Exceptions to Outpatient Quality Measures for Coronary Artery Disease in Electronic Health Records
Karen S. Kmetik, Michael F. O'Toole, Heidi Bossley, Carmen A. Brutico, Gary Fischer, Sherry L. Grund, Bridget M. Gulotta, Mark Hennessey, Stasia Kahn, Karen M. Murphy, Ted Pacheco, L. Greg Pawlson, John Schaeffer, Patricia A. Schwamberger, Sarah H. Scholle, and Gregory Wozniak
電子カルテ(EHRs)により診療の質向上の努力を促進させることが可能であるが,EHRsから作成された診療の質に関する報告書は,推奨治療の正当な例外を正確に反映しなければならない.この研究は,EHRsを用いている5つの医療施設において2006年から2007年の間に診察を受けた冠動脈疾患を有する47,075名の外来患者のEHRsに基づく報告書を検証した.自動システムは3.5%の患者が推奨治療の例外であると報告し,研究者らはそれらの例外の92.6%を手作業の再調査により間違いないとした.これらのことから,自動的に報告される推奨治療からの例外はそう頻回に起こるものではなく,通常は正当な根拠があるものと推測される.
(翻訳:小出優史)
終末期6か月間における医療費の決定因子
Determinants of Medical Expenditures in the Last 6 Months of Life
Amy S. Kelley, Susan L. Ettner, R. Sean Morrison, Qingling Du, Neil S. Wenger, and Catherine A. Sarkisian
人生の最期数か月間における医療費は,高額でありまた地域差がある.治療の程度に寄与する患者側因子を理解することにより,ケアとコストにおける不適切なばらつきを減少させるための介入が可能になるかもしれない.本研究は,地域的な因子も考慮に入れた上で,終末期6か月間におけるケアの程度と患者側因子との関連について調べたものである.高額医療費と関連していたのは,機能状態の低下,黒人またはヒスパニック系民族,ある種の慢性疾患(糖尿病を含む),そして近所に住む家族からの支援が得られないことであった.
(翻訳:泉谷昌志)
レビュー(Reviews)
急性虚血性脳卒中の治療のための脳血栓除去装置:エビデンスの現況
Neurothrombectomy Devices for the Treatment of Acute Ischemic Stroke: State of the Evidence
William L. Baker, Jennifer A. Colby, Vanita Tongbram, Ripple Talati, Isaac E. Silverman, C. Michael White, Jeffrey Kluger, and Craig I. Coleman
このレビューは,急性虚血性脳卒中の治療における脳血栓除去装置に関連したエビデンスを評価した.適応クライテリアに一致した87の論文中,62本が症例報告か症例シリーズであり,無作為化試験や直接比較試験はなかった.再開通の成功率や有害事象は多様であった.有害事象の予測因子は,高齢者,脳卒中の既往,脳卒中重症度スコアのベースラインが高値であった.現在利用可能な脳血栓除去装置は,急性虚血性脳卒中の魅力的な治療選択肢であるが,高い質のエビデンスは欠けている.
(翻訳:金澤雅人)
研究と報告の方法(Research and Reporting Methods)
治療法決定の指針のためのマーカー値測定
Measuring the Performance of Markers for Guiding Treatment Decisions
Holly Janes, Margaret S. Pepe, Patrick M. Bossuyt, and William E. Barlow
治療選択マーカーの選択方法については,それらが重要な臨床問題の答えにならない紛らわしい測定結果を与えるために,不十分なものしかない.著者らは,マーカーごとの治療予測カーブが,臨床に関連する質問に答えるための,より有益な補助手段であることを提案している.また,無作為化臨床試験において,エントリー基準と治療レジメンがマーカーによって制限を受けない場合は,マーカーカーブを作成して評価し,比較することを基本とすべきであると提案している.
(翻訳:岩永正子)
診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
入院患者の血糖コントロールに対する強化インスリン療法:ACPによる治療法ガイドライン
Use of Intensive Insulin Therapy for the Management of Glycemic Control in Hospitalized Patients: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians
Amir Qaseem, Linda L. Humphrey, Roger Chou, Vincenza Snow, Paul Shekelle, and for the Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians
American College of Physicians(ACP)による本ガイドラインは,糖尿病の有無によらず,入院患者のアウトカム改善に対する強化インスリン療法(IIT)の有効性について述べている.ACPは,IITで厳格な血糖管理を行わずに入院患者の血糖を正常化するように推奨している.ICUでインスリン治療が行われた場合,目標とする血糖値として140〜200mg/dL(7.8〜11.1 mmol/L)の範囲を,ACPは推奨する.
(翻訳:板東 浩)
入院患者の強化インスリン療法:系統的レビュー
Intensive Insulin Therapy in Hospitalized Patients:A Systematic Review
Devan Kansagara, Rongwei Fu, Michele Freeman, Fawn Wolf, and Mark Helfand
この系統的レビューは関連するACP診療ガイドラインを通知するエビデンスを示し,入院患者の強化インスリン療法(IIT)の利益と害を評価する.入院患者で,より厳格な血糖管理を目標としたIITが,それほど厳格でない血糖管理と比較して,健康アウトカムを改善するという一致したエビデンスはなく,IITは重症低血糖のリスク増加に関与していた.
(翻訳:土屋直隆)
論評(Editorials)
終末期医療における“適切な”度合いとはどの程度か?またどのようにすれば,それを達成できるのか?
What Is the "Right" Intensity of Care at the End of Life and How Do We Get There?
J. Randall Curtis and Ruth A. Engelberg
今号では,Kelleyとその同僚らは,終末期医療の度合いは,患者の状態を示すいくつかの指標だけでなく,地域ごとの要素とも関連していると報告している.論説委員らは,この研究が我々の知識をどのように広げ,個々の患者において“適切な”医療の濃度合いを知ろうとする試みをどのように強調しているかについて,議論する.
(翻訳:山本智清)


急性虚血性脳卒中に対する脳内血栓除去装置:不確実性
Neurothrombectomy Devices for Acute Ischemic Stroke:A State of Uncertainty
Pooja Khatri
この号で,Bakerらは急性虚血性脳卒中に対する脳内血栓除去装置の使用についてのエビデンスを論評した.論説委員らは,脳卒中の治療における無作為化試験の施行に対する挑戦,血栓除去装置間での比較をする前に脳内血栓除去装置の臨床的有用性確立の必要性,そしてどの患者が脳内血栓除去により恩恵を受けるかを理解することの重要性を議論している.
(翻訳:今井直彦)


ACP Journal Club
難治性呼吸困難感の軽減を目的とした酸素投与は室内気と比較して有意差なし.
Palliative oxygen and room air did not differ for relief of breathlessness in patients with refractory dyspnea
フォンダパリヌックスは表在性下肢静脈血栓症において,静脈血栓塞栓症の合併あるいは死亡を減少させた.
Fondaparinux reduced a composite of VTE complications or death in superficial leg-vein thrombosis
気管支喘息に対し,チオトロピウムとべクロメサゾンの併用はべクロメサゾンを倍量にするより効果的であった.
Tiotropium plus beclomethasone was more effective than doubling beclomethasone for asthma
レビュー:ある種の腱障害において副腎皮質ステロイドは短期予後を改善したが,長期予後は悪化させた.
Review: Corticosteroids improve short-term outcomes but worsen longer-term outcomes in some types of tendinopathy
レビュー:慢性腱障害の患者において,ニトログリセリンの局所投与は日常生活動作の疼痛を軽減した.
Review: Topical nitroglycerin reduces pain during ADL in patients with chronic tendinopathies
高度の無症候性頸動脈狭窄において即時的手術は非周術期における脳卒中の長期リスクを減少させた.
Immediate surgery reduced long-term risk for nonperioperative stroke in severe asymptomatic carotid artery stenosis
(翻訳:松木薗和也)

ビタミンBサプリメントは最近脳卒中や一過性脳虚血を起こした患者の心血管イベントを減少させなかった.
B-vitamin supplements did not reduce vascular events in patients with recent stroke or TIA
薬剤師と医師が共同で高血圧を管理することにより24時間自由行動下血圧が低下した.
Pharmacist-physician hypertension comanagement reduced 24-hour ambulatory blood pressure
コルヒチンを標準治療に追加することにより,心膜切開後症候群のリスクが減少した.
Adding colchicine to standard therapy after cardiac surgery reduced risk for the postpericardiotomy syndrome
エストロゲン・プロゲスチン療法は閉経後女性における浸潤性乳癌の長期リスクを増加させた.
Estrogen plus progestin increased long-term risk for invasive breast cancer in postmenopausal women
レビュー:入院患者におけるせん妄は,いくつかのベッドサイドで用いる手段で正確に診断される.
Review: Several bedside instruments are accurate for diagnosing delirium in hospitalized patients
2型糖尿病患者における重篤な低血糖は,有害な臨床アウトカムを起こすリスクの増加と関連.
Severe hypoglycemia was associated with increased risk for adverse clinical outcomes in type 2 diabetes
用語解説
Glossary
(翻訳:千原晋吾)

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