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原著(Original Research)
終末期6か月間における医療費の決定因子
Determinants of Medical Expenditures in the Last 6 Months of Life
Amy S. Kelley, MD, MSHS; Susan L. Ettner, PhD; R. Sean Morrison, MD; Qingling Du, MS; Neil S. Wenger, MD, MPH; and Catherine A. Sarkisian, MD, MSHS
15 February 2011 | Volume 154 Issue 4 | Pages 235-242
背景: 終末期における医療費支出は,それ以外の期間の医療費よりも多く,地域差があり,また持続不可能である可能性が高い.医療費の差の決定因子を同定することにより,コストを減少させる機会が得られるかもしれない.

目的: 終末期におけるメディケア医療費を決定する患者側因子を同定すること.また,地域特性を考慮にいれた上で,これら因子の医療費格差への寄与度を決定すること.地域特性を補正すると,人種または民族,社会的支援,機能状態は独立して治療の程度と関連し,また個々の因子は医療費格差の相当程度を説明するという仮説を立てた.

研究デザイン: 健康と退職に関するパネル調査,メディケア請求書,The Dartmouth Atlas of Health Careのデータを使用し,医療費と患者・地域特性との関係をモデル化した.

セッティング: 米国,2000年から2006年.

対象: 健康と退職に関するパネル調査参加者のうち,65.5歳以上で死亡した2,394人

測定: 患者,地域,患者と地域特性を含んだ一連の2層多変量回帰モデルにより,終末期6か月間のメディケア医療費を推定した.

結果: 高額医療費と関連していたのは以下の因子であった:機能状態の低下(率比[RR]1.64[95%CI,1.46〜1.83]);ヒスパニック系民族(RR 1.50[CI,1.22〜1.85]);黒人(RR 1.43[CI,1.25〜1.64]);糖尿病を含むある種の慢性疾患(RR 1.16[CI,1.06〜1.27]).低額医療費と関連していたのは以下の因子であった:近隣の家族(RR 0.90[CI,0.82〜0.98]);認知症(RR 0.78[CI,0.71〜0.87]).事前のケア計画策定は何ら関連を有しなかった.終末期医療のパターン(RR 1.09[CI,1.06〜1.14])ならびに一人当たりの病床数(RR 1.01[CI,1.00〜1.02])を含む地域特性は,高額医療費と関連していた.地域特性を補正後も,患者側因子は全較差の10%を説明し,医療費と統計学的に有意な関連を有していた.

研究の限界: 本研究の限界として,死亡者をサンプルとしていること,代理人からの情報提供であること,格差の大部分は説明不可能であったことが挙げられる.

結論: 機能低下,人種または民族,慢性疾患,近隣の家族といった患者側因子は,地域特性とは独立して終末期における医療費の重要な決定因子であった.

主たる資金提供源: The Brookdale Foundation(訳注:ブルックデール財団).

(翻訳:泉谷昌志)

English Abstract

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