Journals

(更新日 2011年3月16日)
Annals

Established in 1927 by the American College of Physicians
目次(TABLE OF CONTENTS)
1 March 2011 Volume 154 Issue 5
(監修:小野広一,総合監修:川村光信)
英文のTable of Contentsはこちらをクリックしてください.

原著(Original Research)
経口ステロイド療法に引き続いた局所ステロイドによる鼻ポリープを伴った慢性鼻副鼻腔炎の治療:無作為化試験
Treatment of Chronic Rhinosinusitis With Nasal Polyposis With Oral Steroids Followed by Topical Steroids: A Randomized Trial
Sriram Vaidyanathan, Martyn Barnes, Peter Williamson, Pippa Hopkinson, Peter T. Donnan, and Brian Lipworth
鼻ポリープに伴う慢性副鼻腔炎の治療における経口ステロイドの役割を定義する根拠は,限定的である.この試験では,鼻腔内ステロイドに反応不十分な中等度以上の鼻ポリープと慢性副鼻腔炎の患者が,無作為に,2週間の経口ステロイド群かプラセボ群かに割り付けられ,その後両群ともステロイド点鼻薬やスプレーで治療された.治療28週間で,経口ステロイドによる治療導入後,ポリープサイズのより大きい減少,および嗅覚のより大きい改善が認められた.しかし,臨床医は,この治療方針を用いる場合,有害事象を考慮すべきである.
(翻訳:鈴木克典)
血糖マーカーにおける人種差:地域社会を基盤としたデータの横断研究
Racial Differences in Glycemic Markers: A Cross-sectional Analysis of Community-Based Data
Elizabeth Selvin, Michael W. Steffes, Christie M. Ballantyne, Ron C. Hoogeveen, Josef Coresh, and Frederick L. Brancati
空腹時血糖値が同等であれば,黒人のヘモグロビンA1C値は白人より高い.このことが食後血糖の差異を反映するのか,ヘモグロビンの糖化と赤血球の代謝の生理学的差異を反映するのかは分かっていない.343名の糖尿病患者と1,376名の非糖尿病患者を対象としたこの研究では糖化アルブミン,フルクトサミン,1,5-アンヒドログルシトールにおける黒人と白人の差異はヘモグロビンA1C値における差異と相似していた.これらの観察結果は,ヘモグロビンの糖化と赤血球の代謝の差異では血清マーカーの人種差を説明しえないことを示唆している.
(翻訳:吉井康裕)
心血管リスクの高い患者におけるイベント予測因子としての推定糸球体濾過量とアルブミン尿:コホート研究
Estimated Glomerular Filtration Rate and Albuminuria as Predictors of Outcomes in Patients With High Cardiovascular Risk: A Cohort Study
Catherine M. Clase, Peggy Gao, Sheldon W. Tobe, Matthew J. McQueen, Anja Grosshennig, Koon K. Teo, Salim Yusuf, and Johannes F.E. Mann, on behalf of the ONTARGET (ONgoing Telmisartan Alone and in combination with Ramipril Global Endpoint Trial) and TRANSCEND (Telmisartan Randomized Assessment Study in Angiotensin-Converting-Enzyme-Inhibitor Intolerant Subjects with Cardiovascular Disease) Investigators
腎臓病は心血管イベントの危険因子のひとつである.古典的な心血管病のリスク因子のみではなく,腎機能のマーカーがリスク予測を改善するという仮説が唱えられている.この前向きコホート研究は,従来の冠危険因子に推定糸球体濾過量とアルブミン尿を加えても古典的因子による心血管イベントの危険予測と比較して,臨床的に役に立つ情報の追加,あるいはより高度なリスク予測をほとんど提供しないことを明らかにした.
(翻訳:江波戸美緒)
米国におけるB型肝炎ウイルス:全国代表調査による持続感染,曝露歴,免疫獲得率について
Hepatitis B Virus in the United States: Infection, Exposure, and Immunity Rates in a Nationally Representative Survey
George N. Ioannou
現在のB型肝炎ウイルスの持続感染,曝露歴,免疫獲得に関する分布を推測することは,感染予防計画の効率を評価するのに必要と考えられる.39,787名の参加者による[米]全国健康・栄養調査(1999年より2008年まで)の結果によると,6歳以上で,0.27%(約704,000名)が慢性B型肝炎ウイルス感染であり,また4.6%(約11,993,000名)がHBVに過去に曝露されたことがあることが判明した.持続感染,過去の曝露歴は6から19歳では一般的ではなく,2歳児の68.6%が免疫を獲得していた.研究者は,高リスクの成人へのワクチン接種は強調され続けるべきであると結論付けている.
(翻訳:今村隆明)
レビュー(Reviews)
ナラティブ・レビュー:破傷風-開発途上国における自然災害後の健康への脅威
Narrative Review: Tetanus-A Health Threat After Natural Disasters in Developing Countries
Majid Afshar, Mahesh Raju, David Ansell, and Thomas P. Bleck
予防接種により先進社会では破傷風はまれとなったが,開発途上国では自然災害後に発生が予想される疾患の1つである.このような状況において破傷風に緊急に対応するためには,集中治療室やすぐに利用可能な資源がなく,低温流通体系が機能しない中での集学的アプローチが必要である.破傷風の治療の成功は,迅速な診断,循環する毒素の中和,感染の除去,攣縮や痙攣のコントロールといった治療,気道の確保,呼吸不全や自律神経障害の管理にかかっている.
(翻訳:井口光孝)
レビュー(Reviews)
系統的レビュー:本人に代わって治療決定を行うことが代理人に与える影響
Systematic Review: The Effect on Surrogates of Making Treatment Decisions for Others
David Wendler and Annette Rid
WendlerとRidは,治療決定を行うことがそれを行う代理人に対して与える影響に関する研究をレビューした.大部分が判断能力のない成人に対する終末期医療の決定を行った者からなる代理人を対象に組み込んだ,11件の定量的研究と29件の定性的研究をみると,多くの代理人が決定を下すことでネガティブな感情的負担を感じていた.ネガティブな効果は概して数か月から数年持続し,ストレスや罪の意識,懐疑的な気持ちを含んでいる.今後の研究では,このような代理人が意思決定後に経験する感情的負担を軽減する方法を評価すべきである.
(翻訳:白山武司)
診療ガイドライン(Clinical Guidelines)
50歳以上の成人に対する難聴のスクリーニング:U.S. Preventive Services Task Forceのためのエビデンスのレビュー
Screening Adults Aged 50 Years or Older for Hearing Loss: A Review of the Evidence for the U.S. Preventive Services Task Force
Roger Chou, Tracy Dana, Christina Bougatsos, Craig Fleming, and Tracy Beil
このレビューはプライマリ・ケアの段階で50歳以上の成人における難聴のスクリーニングについてU.S. Preventive Services Task Force(USPSTF 訳注:米国予防医療サービス専門作成部会)の1996年の勧告の改訂を知らせるために作られた.スクリーニングでは,ある試験において,1年で補聴器の使用の増加に関連したが,聴力に関連した機能の改善はなかった.そして,他の試験では,すぐに補聴器を使用することが,使用を待機したコントロール群と比較して軽中等度の難聴を有する患者あるいは重度の聴力に関連したハンディキャップを有する患者の聴力に関するクオリティ・オブ・ライフ (QOL) の改善に関して効果的であった.良質なエビデンスは,一般的なスクリーニング・テストが難聴のよりハイリスク患者の同定に有用であると示唆した.スクリーニングや補聴器での治療の害に関する直接のエビデンスはなかった.
(翻訳:山本 卓)
骨粗鬆症のスクリーニング:U.S. Preventive Services Task Forceによる勧告声明
Screening for Osteoporosis: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
U.S. Preventive Services Task Force
この勧告声明は骨粗鬆症のスクリーニングに関する2002年USPSTF(U.S. Preventive Services Task Force 訳注:米国予防医療サービス専門作業部会)の勧告を刷新している.USPSTFは65歳以上の女性と,追加の危険因子を有さない65歳の白人女性と同等以上の骨折の危険性を有するより若年女性において骨粗鬆症のスクリーニングを推奨している.
(翻訳:山内高弘)
論評(Editorials)
経口および鼻腔内ステロイド療法:鼻ポリープに対する新たな治療法となるか
Combined Oral and Intranasal Corticosteroid Therapy: An Advance in the Management of Nasal Polyposis?
Joaquim Mullol and Isam Alobid
この号では,Vaidyanathanとその同僚らによる研究で,鼻腔内ステロイド単独では十分な効果が得られなかった鼻ポリープのある慢性副鼻腔炎患者に対する短期間の経口ステロイド薬投与の有効性について示している.論説委員らは,鼻ポリープのある重症あるいはコントロール不良の慢性副鼻腔炎患者に対して,経口ステロイド薬を初期量0.5〜1.0 mg/kgで開始し,2〜3週間で漸減する方法を主張している.経口ステロイド薬投与後あるいは投与中に鼻腔内ステロイド薬を長期的に使用することを主たる治療方法にすべきであり,また臨床家は経口ステロイド薬使用に伴う副作用についても留意すべきである.
(翻訳:池田賢一)


患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
鼻ポリープを伴った慢性副鼻腔炎への経口ステロイド薬による初期治療
Initial Treatment With Oral Steroids for Chronic Sinusitis Accompanied by Nasal Polyps
(翻訳:郷間 厳)
患者さんへのまとめ(Summaries for Patients)
骨粗鬆症のスクリーニング:U.S Preventive Services Task Forceによる勧告声明
Screening for Osteoporosis: Recommendations From the U.S. Preventive Services Task Force
(翻訳:沖 将行)
クリニックにて(In the Clinic)
帯状疱疹
Herpes Zoster
(翻訳:池田賢一)
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