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ObserverWeekly

(更新日 2007年3月12日)

In the News for the Week of 3-6-07(監修: 塩田哲也)

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ニュースハイライト(News highlights)

1.リスクの高いHPVの株は考えられていたより女性においては日常的ではない
  最近の政府の研究によると,ヒトパピローマウイルス(HPV)はこれまで考えられていたよりも米国女性では流布しているが,最もリスクの高いHPVの株はこれまで報告されていたほどは高くない.この研究によると,女性の約2%が高リスクのHPVの16あるいは18型に感染しているが,これまでの大規模研究では18歳から25歳までのHPVにかかった女性のうち20.4%が高リスクの株によるとされていた.この研究内容は2月28日のJAMA誌に掲載される.More....
(翻訳: 上野義之)

2. プライマリケア医と病院の専門医のコミュニケーション不足
  2月28日付のJAMA誌に掲載された総説では,患者が病院を退院した後に,病院の担当医からプライマリケア医へ十分な患者情報が提供されていないとしている.1970年から2005年に行なわれた55の観察研究を分析したところ,プライマリケア医の3%が退院についての協議に関わっているにすぎず,退院時要約の25%はプライマリケア医に届いていなかった.More....
(翻訳: 菅野義彦)

3.米国連邦食品医薬品局の委員会は,初めての鳥インフルエンザのワクチンを認可する
  先週,初めての鳥インフルエンザに対するワクチンの認可が米国連邦食品医薬品局(FDA)の諮問機関委員会によって推奨された.臨床試験では,新しいワクチンは最大量である90マイクログラム2回投与を受けた成人の45%に予防効果があった.試験では参加者のうち有効例は半数以下であったことが示されたため,専門家は新しいワクチンは応急処置である,と警告した.More....
(翻訳: 村上純)
 

臨床ニュース(Clinical news)

4.学会誌(Annals)より: 不安障害はプライマリケアにおいてよく見られるが,十分な治療がなされていない
 米国内科学会誌(Annals of Internal Medicine) の2007年3月6日号でとりあげられた研究では,プライマリケアの患者965名のうち20%近くが,4つの主要な不安障害のうち少なくとも1つを有しており,これら患者の41%が治療を受けていなかった.もうひとつの論文は,ACPの調査の結果,一般内科医によって行われた処置の数と種類が1986年以降に激減したことを見出した.More....
(翻訳:村上純)

5.男性患者に対する非麻薬性鎮痛薬の頻用による高血圧の合併

 2月26日付のArch Intern Med誌に掲載された研究によれば,非麻薬性の鎮痛薬を服用している男性では高血圧のリスクがある程度増加するとされている.アセトアミノフェンを週に6〜7日服用している男性では,非服用者に比べて高血圧発症のリスクが34%も増加する.またNSAID服用者では38%,アスピリン服用者では26%増加する.これに関連して米国心臓協会では,心臓病患者もしくは心臓病のリスクがある患者の慢性疼痛に対する最終的な治療として選択的COX-2阻害薬を処方するよう通達を出した.それはこの薬剤が心筋梗塞や脳卒中,心不全,高血圧のリスクを増加させるからである.More....
(翻訳: 菅野義彦)

6.抗酸化作用のあるサプリメントの中には死亡率を高めるものもある
  疾患予防に用いられる抗酸化剤の68の第一次,及び第二次無作為試験をまとめた最近の報告によると,ベータカロチン,ビタミンA,そしてビタミンEのサプリメントは死亡率を高める可能性がある.研究者らがバイアスの低い,すなわちより質の高いコントロール,無作為化と経過観察を持つ47の臨床試験に着目すると,これらのサプリメントの単独あるいは飲み合わせの摂取で,ベータカロチンで7%,ビタミンAで16%,そしてビタミンEで4%の死亡率危険が増加することがわかった.一方,ビタミンCでは死亡率に関して増減の変化は認められなかった.More....
 (翻訳: 上野義之)
 

FDAニュース(FDA news)

7.非認可のエルゴタミン製品の製造者は市場から薬剤を撤去させるように指導された
  FDAは先週製造8社と流通12社に対して,偏頭痛の治療に用いられる酒石酸エルゴタミンを含む未承認薬の市販を中止するように告げた警告書を送付した.エルゴタミンを含む製剤は重篤,もしくは致死的な副作用をCYP 3A4の阻害剤との相互作用により生じる可能性があり,この阻害剤にはある抗真菌剤やプロテアーゼ阻害剤,抗生剤が含まれるとFDAはしている.可能性がある作用としては生命を脅かす虚血でこれには死亡や壊死が含まれる.More....  
 (翻訳:上野義之)
 

医療業界(Business of Medicine)

8.ユナイテッドヘルスは系列の臨床検査所のネットワーク外に発注する医師に罰金を科すかもしれない
  保険者側が医師に昨年11月に送った文書によると,3月1日以降ユナイテッドヘルスグループと契約している医師は,保険会社の系列外の臨床検査所に患者を依頼した場合は罰金を科されたり,その資格が変えられる可能性があることになる.
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(翻訳: 上野義之)
 

医療の質の向上(Quality Improvement)

9.介入はケアの方法を改善するが,予後は改善しない
 3月1日付のN Engl J Med誌に掲載された研究によれば地域健康センターで国が主導的にケアに介入を加えた場合,3つの慢性的な状況のうち2つに改善を認めたが,中期の予後には影響しなかった.介入を受けたセンターでは例えば糖尿病患者の足の検診が21%,喘息患者における抗炎症薬の使用が14%増加したが,高血圧患者のケアの質は改善せず,さらに喘息入院といった緊急的ケア,あるいは糖尿病の糖化ヘモグロビン値や高血圧の降圧コントロールなどの予後は改善しなかった.
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(翻訳: 菅野義彦)
 

学会ニュース(College news)

10.MedPACレポートは欠陥のある支払い方式を廃止するための会議を招集する
 3月1日に発表されたレポートの中で,医師報酬の年次更新を計算するために用いられる持続可能成長率(SGR)方式には欠陥があり,議会によって廃止されるべきであるとメディケア支払い諮問委員会 (MedPAC) は結論づけた.ACP会長のLynne M. Kirk (FACP) は,議会のヘルスケア委員のメンバーへの書簡の中で,委員会の努力を賞賛したが,同時に,レポート中の代替案の提案に対して,SGR固有の欠陥を修正しなければ,新しい行政上および政治上の複雑な問題を持ち込むかも知れないとの懸念を表明した.More....  
 (翻訳: 村上純)

11.内科医が米国医学会リーダーシップ賞に輝いた
 ボルチモアのACP会員であるPadmini Ranasingheは2007年の米国医師会設立のリーダーシップ賞の受賞者として選ばれるに至った.この賞は,医学または地域の問題における強力な非臨床的指導力を発揮し,系統的な医学においても指導力をさらに発展させることに関心を持つ将来のリーダーを表彰するものである.More....  
 (翻訳: 村上純)
 

FDAニュース(FDA news)

7.薬剤警告,注意報および勧告
  先週,米国食品医薬品局(FDA)はオンラインでzolpidem (Ambien,マイスリー),alprazolam (Xanax,コンスタン,ソラナックス),escitalopram (Lexapro,SSRI,本邦未発売) そしてlorazepam (Ativan,ワイパックス)を注文した顧客は,実はhaloperidol (Haldol,セレネース)を受け取っているかもしれないと警告した.FDAはまた,注意欠陥多動障害(ADHD)に対するすべての薬剤の製造業者に対して患者用治療ガイドの作成を命じ, omalizumab (Xolair,喘息治療薬:IgE受容体抗体) のラベルに枠付き警告を付した.当局は,女性の2型糖尿病患者をrosiglitazone (Avandia,インシュリン感受性改善薬,本邦未発売)で治療を開始または治療している時は骨折の危険性について考慮すべきことも勧告した.More....  
(翻訳: 岩瀬三紀)
 

米国疾病対策予防センターニュース(CDC news)

8.腎臓病患者にガドリニウム造影MRIは施行すべきでない
  米国疾病予防管理センター(CDC)は皮膚が肥厚して硬くなる病態である腎性全身性繊維症の検討によって,MRIで使用するガドリニウム含有の造影剤の使用は進行した腎疾患患者において危険であり,医学的に必要な場合を除き使用すべきでないことを発表した.この検討では腎性全身性繊維症の進行にガドリニウムへの暴露が関与するという知見を再確認した.More....  
(翻訳: 鈴木昌)

9.NFIDキャンペーンでは糖尿病患者におけるインフルエンザ・ワクチン接種を目標としている

 アメリカ感染症財団(NFID)は,毎年半分以下の人しかワクチン接種を受けていない糖尿病患者におけるインフルエンザ・ワクチン摂取率を増加させるために,先週キャンペーンを始めた.生後6ヶ月以上の糖尿病患者およびその緊密な接触者(家族や医療従事者)は,毎年インフルエンザ・ワクチンの接種を受けるべきだと米国疾病予防管理センター(CDC)およびアメリカ糖尿病協会は述べている.More....  
(翻訳: 平和伸仁)