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ObserverWeekly

(更新日 2007年4月12日)

In the News for the Week of 4-10-07(監修: 伊熊睦博)

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ニュースハイライト(News highlights)

1.ホルモン剤使用による心血管系危険度は年齢により変動する
  NIHが長期プログラムとして遂行しているWomen’s Health Initiative Studyのデータの新たな解析によれば,女性の冠動脈疾患の危険度は,閉経直後からホルモン療法を開始した場合にはやや減少するが,閉経後しばらくたってから開始した場合には逆に増加する.エストロゲンかエストロゲン-プロゲスチンを服用している女性の冠動脈疾患危険度は,プラセボ群に比較して,閉経後10年未満の群では24%減少していたが,閉経後10−19年の女性の場合には10%上昇していた. More....
(翻訳: 齋藤雄司

2. 乳房X線撮影に対するコンピュータ補助は乳がん発見率を改善しない
  検診の乳房X線撮影におけるコンピュータの利用は,読映精度を低下させることを新たな研究が示した.コンピュータ補助による検出法(CAD)を実施しても,検診施設における乳癌発見率を有意には変えず,偽陽性数が有意に増加する結果となった.診断特異度は,CAD実施前の90.2%から実施後の87.2%に低下した.またCADを利用している施設では(CADを利用していない対照施設に比べ),検診における乳房X線撮影の精度も全体的に低かった. More....
(翻訳: 東 理

3.うつ病と診断された患者では最大4人に1人が過剰診断である
  うつ病と診断された患者の約1/4は,離婚などの困難な状況に対応しているだけかもしれないということが研究で示された.DSM-IVでは,肉親の死はうつ病と診断する際の考慮としているが,肉親以外の死や大切なものを手放すことは考慮に入れていない.8098人を調べた研究結果では,例えば家やお金を失ったことで,肉親との死別の時の9つの症状の内8つの症状を来しており,このことは,うつ病の診断基準の改定を考慮すべきであることを示している. More....
(翻訳: 平岡栄治)
 

臨床ニュース(Clinical news)

4.ACPジャーナル・クラブ:吸入インスリン,経口血糖降下剤より血糖コントロールは良好,インスリン注射には及ばず
 最新の総説によれば,吸入インスリンは,経口血糖降下剤より糖尿病患者の血糖コントロールを良好にするが,インスリン皮下注射(SC)ほど効果的ではないことが示された.メタ分析の結果では,吸入インスリンは,1型および2型糖尿病患者のHbA1c値をSCの場合ほど低下させないが(訳注),経口薬の場合に比べて,2型糖尿病患者のHbA1c値をより低下させることが示された.呼吸器系に対する副作用の危険性は吸入インスリンが最大であった. More....
(訳注: ACPジャーナル・クラブのコメントでは,この解析におけるSCによるHbA1c値の低下は,吸入インスリンによるHbA1c値の低下より0.08%大きいだけで,この差の臨床的意義は明確ではないと述べられている.)
(翻訳:東 理

5.スタチンは腎疾患患者の敗血症を減少させる

 新たな研究によれば,慢性腎疾患患者の敗血症による入院危険度は,スタチンによって改善される可能性がある.患者の敗血症関連入院率は,スタチン服用の場合41/1000患者・年だが,未服用の場合は110/1000患者・年であった.他の影響因子調整後でも,スタチン服用者は,敗血症入院の危険度が62%低下していた. More....
(翻訳: 齋藤雄司)

6.タモキシフェンに化学療法を加えると乳癌の生存率が上昇する

  初期の乳癌に罹患した女性患者をタモキシフェンだけで治療するよりも,タモキシフェンと化学療法の両者で治療した方が生存率の上昇が見られるが,タモキシフェンに卵巣抑制療法を加えてもタモキシフェン単独に比べ利益がないことが新たに報告された.50歳以下の女性患者にもっとも化学療法の利益が見られ,特に卵巣除去や卵巣抑制療法を受けていない閉経前の患者では追加効果が顕著であった. More....
(翻訳: 平岡栄治)
 

CMSニュース(CMS  news)

7.医療の質を報告するための新基準が登場
 CMSは,2007年度の医療の質の先進的報告プログラム(PQRI)参加のために,医師が用いるべき報告基準を発表した.内科医はメディケア報酬に1.5%のボーナス加算を受け取るためには,74項目にわたる疾病の治療に関する基準に対し3種類の報告をすることが必要となる.具体的には,各々の治療基準の詳細,報告の仕方の説明と,それぞれの基準における臨床指導内容の記載方法について特定している. More....
 (翻訳: 齋藤雄司)
 

医療費(Cost of care)

8.医師の多くが,検査指示時に患者負担を考慮せず
  臨床医6,628人を対象とした調査によると,検査項目を決める際,保険加入患者の自己負担額を考慮している医師は51.2%のみであり,また入院と外来の両方の治療選択が可能な場合に,患者の自己負担を考慮している医師は40.2%に過ぎなかった.しかし,後発薬剤とメーカー品の薬剤のどちらを処方するかに関しては,78%の医師が患者の自己負担を考慮にいれていた.プライマリーケア医と慈善医療に携わる医師では,患者の自己負担をより考慮していた. More....  
 (翻訳: 東 理
 

学会ニュース(College news)

9.前評議員はドレクセル大学から表彰を受けた
  MACPであるRisa J. Lavizzo-Moureyは,ドレクセル大学医学部の女性の健康とリーダーシップ研究所から2007年の女性賞に選出された.この賞は,その女性の活動が社会に影響を与え,また模範となることにより,すべての年齢の女性に最善の健康や行動が達せられる様に触発を与えた女性に毎年贈られている. More....  
 (翻訳: 平岡栄治