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ObserverWeekly

(更新日 2007年6月25日)

In the News for the Week of 6-19-07(監修:郷間 巌)

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ニュースハイライト(News highlights)

1.卵巣がんの早期症状を探すようにという女性へのアドバイス
  がん専門家のあるグループは,卵巣がんの早期の警戒すべき兆候と考えうる症状の一群を見つけ出した.その症状には,腹部の膨満感,骨盤や腹部の疼痛,摂食困難か満腹感,そして尿路症状(頻尿あるいは,尿意の切迫)が含まれる.2,3週間以上これらの症状をほとんど毎日経験する場合は,婦人科医を受診するべきであるとこのグループは述べている.More....
(翻訳:北口聡一

2.重症の患者ほど医療の質はよかった
  成果主義(能力給制度)を導入すれば,医師がより重症の患者を診ることで罰せられるのではないかという懸念の中,全く違う結果が出た.ケアの質の指標を評価すると,重症の患者ほど高い指標を獲得していた.3つのコーホートの患者にされた医療の質の評価が調べられた.それぞれの患者が持っている内科慢性疾患の数と比べ質の指標の割合を解析した.内科慢性疾患が増えれば増えるほどケアの質がよくなったことが分かった.More....
(翻訳:平岡栄治)


翻訳者解説
この研究では過去にされた医療の質の3つの研究(Community Quality Index(CQI)study,the Assessing Care of Vulnerable Elders(ACOVE)study, and the Veterans Health Administration(VHA)quality-of-care project)のデータが解析された.ケアの質は,各疾患に対しされるべきであろうケアのうち何%がされたかを指標に評価された(例えば,心房細動のある弱々しい高齢者患者にワーファリンを投与した場合,開始後4日以内にPT INRが測定されているか,その後6週間以内に再検されているかなど).重症患者であり,ケアすべき疾患が増加すればするほどそのそれぞれの疾患のケアの質は悪くなるであろうと考えられた.しかし,今回の解析の結果,疾患の数が増加すればするほどケアの質は良くなっていた.


3.米国において,糖尿病に罹患している男性患者の死亡率は低下したが,女性患者の死亡率には変化がみられなかった
  1971年から2000年までの29年間において,糖尿病に罹患している男性患者の死亡率は有意に低下したのに対し,同疾患に罹患している女性患者の死亡率は全く低下しなかったことが,三つの大規模な米国のデータベースの最新分析により,明らかになった.糖尿病に罹患している男性患者において,あらゆる死因を含めた年間死亡率は,1000人あたり42.6から24.4へと著しい低下を示し,心血管疾患による死亡率は26.4から12.8へと低下した.糖尿病に罹患している女性患者の場合は,心血管疾患を含めた全ての死因において,同期間における死亡率の低下は認められなかった.More....
(翻訳: 市堰 肇)
 

病院医学(Hospital medicine)

4.術前のヘマトクリット値は,術後の結果を予想できる可能性がある
 異常なヘマトクリット値は,心臓以外の手術を受ける患者の悪い結果を予測できる可能性があることを大規模な全米のデータベースの新しい後ろ向き研究が明らかにした.筆者らは,正常なヘマトクリット値(訳注:39%から53.9%)より上昇あるいは減少のいずれの場合でもヘマトクリットのパーセント値が1ポイント逸脱するごとに30日以内の死亡率が1.6%上昇することを見出した.異常なヘマトクリット値を示す患者は,30日時点での心イベントと心臓死の調整リスクも増加していた.More....
(翻訳:北口聡一)

5.心臓手術において質と費用は関係なかったと判明
 冠動脈バイパス手術の費用と結果を調べたペンシルベニアの研究によると,費用が高ければ高いほど結果が良いというわけでは必ずしもなかったことが新たに分かった.この手術に対する平均費用は劇的に異なっており,約10万ドル近くかかる病院もあれば2万ドル未満の病院もあった.しかし,入院期間,死亡率に関し一番費用を請求する病院と一番費用を請求しない病院で差がなかった.More....
(翻訳:平岡栄治)
 

臨床ニュース(Clinical news)

6.心血管疾患は腎臓病の危険因子であると判明
 13826人の患者を対象にした研究によると,心血管疾患は腎機能低下や腎臓病発症の独立した危険因子と新たに判明した.9年間のフォローアップにて3.8%の患者の腎機能が低下して,2.3%の患者が腎臓病になった.研究を始める時点で,12.9%の患者が心血管疾患を有しており,これは腎機能低下や腎疾患の危険を高めることに関与していた(オッズ比1.70, 95%信頼区間 1.36-2.13).More....
(翻訳:平岡栄治)

7.大豆製品に含まれる物質が骨密度を上昇させた
 大豆製品に含まれる物質が,プラセボに比べて,骨密度を上昇させることを明らかにした研究が,2007年6月19日発行のAnnals of Internal Medicineに掲載されている.明らかな利益をもたらすことを示した研究を継続するか中止するかについての検討,および治療の有益性に関する説明が患者の治療を受ける態度に影響を与えたことを示す検討といった二つの記事も,同誌には掲載されている.More....
(翻訳:市堰 肇)
 

患者の保護(Patient care)

8.患者は公平な扱いを求めている
 患者は,紹介の時に,主治医と握手しファーストネームとラストネームを取り交わすことを希望しているとある最新の調査が発表した.調査した患者のほとんど(78.1%)が,医師との握手を求めており,50.4%の患者は,医師が挨拶の時に自分のファーストネームで呼んで欲しいと述べている.そして56.4%の患者は,医師がファーストネームとラストネームを用いて自己紹介して欲しいと望んでいる.More....
(翻訳:北口聡一)
 

学会ニュース(College news)

9.マルチメディアの脳挫傷ツール集が入手可能となる
  脳震盪および軽症の外傷性脳損傷の管理に関する,内科医向けのマルチメディアツール集の改訂新版が,オンラインにて現在入手可能である.米国疾病予防管理センター(CDC)より公開されている“Heads Up: Brain Injury in Your Practice”と称するこの製品には,脳震盪の患者に対する早期診断,管理および専門医への適切な紹介をするうえでの,実践的かつ内科医にとって容易に使える臨床情報,ツールが含まれている.More....  
 (翻訳:市堰 肇)