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ObserverWeekly

(更新日 2007年7月23日)

In the News for the Week of 7-17-07(監修:鈴木克典)

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ニュースハイライト(News highlights)

1.プライマリ・ケアを受ける患者の3分の1以上が睡眠障害を訴えている
  プライマリ・ケア施設を受診する成人の3分の1以上は睡眠障害を抱えているということが,新しい研究の結果分かった.5か所のプライマリ・ケア施設において,2000人近くの成人に睡眠障害に関する調査を行った.結果は以下の通りである:34%は一晩に3回以上覚醒する,14%は睡眠時無呼吸の症状がある,28%は少なくとも週に一度はレストレス・レッグ症候群(restless legs syndrome)の症状がある,55%は少なくとも週に一度は日中の活動中に眠気を感じる,37%は少なくとも週に一度は日中の活動中に居眠りをする,33%は少なくとも週に一度は大きないびきをかく.More....
(翻訳:泉谷昌志)

2.様々な研究によって,うつ病の治療は全年齢層において自殺の危険を低下することが示唆された
  薬剤や認知療法でうつ病を治療することは全年齢層における自殺の危険性を低下するようである,と2つの新たな研究が見い出した.最初の研究は,自殺企図はうつ病の治療が始まる前月にもっとも一般的であり,治療開始1ヵ月目には低下し,治療が継続する間,低下し続けることを見い出した.第2の研究は,選択的セロトニン再吸収阻害薬投与開始後の自殺企図率は,抗うつ薬の投与を受けない症例の自殺企図率のおよそ1/3であったことを見い出した.More....
(翻訳:加藤秀章)

3.医療サービスの質に応じて診療報酬を支払うメディケアの第1年目の試みは良好な結果をみた
  患者の長期フォローにあたり,医療サービスの質に応じて診療報酬を支払うという,メディケアの実験的試みの第1年目の成果が報告された.それによると,患者を他の専門家と協力し,かつ入院させないでフォローした医師に多くの報酬を与えることは良好な診療成果を生み出し,また概して低コスト運営になることがうかがわれた.2005年4月に始まり2008年まで続くこの試みにおいては,従来の出来高払い制に加え,糖尿病治療の質に関するいくつかのポイントを満たすケースに対して,ボーナス報酬を支払うこととしている.2年目および3年目には,うっ血性心不全,冠動脈疾患,高血圧,癌のスクリーニングに関する項目も盛り込まれる.これに参加した10の医師グループすべてにおいて糖尿病患者のケアに改善がみられたが,ボーナスを得たのはその内の2グループのみであった.More....
(翻訳:井上直紀)
 

病院医学(Hospital medicine)

4.COPD患者における吸入ステロイドと肺炎の関連が研究で示された
 吸入ステロイドは,慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者において肺炎による入院をまねく可能性があるということが,新しい研究の結果分かった.研究者たちは,吸入ステロイドと肺炎が関係しているかどうかを明らかにするため,175,906人の高齢COPD患者の集団(コホート)ならびに95,768人の同条件の対照集団について,1988年から2003年にわたる処方箋ならびに入院記録を解析した.フォローアップ期間に,コホートのおよそ14%が肺炎のため入院した.More....
(翻訳:泉谷昌志)

5.高齢患者は入院後も睡眠薬をしばしば続けることを研究は見い出した
 ある研究によれば,入院中もしくは入院後間もなく,最初にベンゾジアゼピンを投与された高齢患者は,数カ月後もしばしばそれらを内服し続けている.研究者は,66歳以上の405,128人の患者のデータを後ろ向きに解析した.全体で,入院の前年にベンゾジアゼピンを投与されていなかった12,484人(3.1%)の患者が,退院後1週間以内に同剤の投与を受けた.この集団のおよそ50%は,退院8日後から6か月後までの期間に新たな慢性ベンゾジアゼピン使用者(new chronic benzodiazepine users)に分類された.More....
(翻訳:加藤秀章)
 

臨床ニュース(Clinical news)

6.古い糖尿病治療薬は新しいものより同等またはより優れた効果がある
 7月17日付のAnnals of Internal Medicineの記事によると,経口2型糖尿病治療薬として世代の古いもの,例えば第2世代のスルフォニルウレアやメトフォルミンは,世代の新しく高価な治療薬と比べ,血糖値,脂質などのコントロールにおいて同等もしくはより優れた効果がみられたという.また,同誌には淋菌がフルオロキノロン系抗生物質に耐性になりつつあるという記事も掲載されている.More....
(翻訳:井上直紀)

7.アジア系米国人の癌の発生率は民族により異なる
 アジア系米国人における癌の発生率は,民族の違いによって著しく異なっていることが,新しい報告により分かった.米国癌学会は,カリフォルニア州内の5つの主要なアジア系米国人の民族集団(中国系,フィリピン系,ベトナム系,韓国系,日系)における,癌の発生率・死亡率・危険因子・スクリーニングについてまとめ,報告した.全体的に見ると,韓国系やベトナム系などの,より近年になって米国に移民してきた集団においては西洋社会ではあまり多くはみられない癌(胃癌,肝癌など)にかかりやすいということが分かった.より長期間米国内にいる集団(日系,フィリピン系など)は,米国において良くみられる癌(大腸癌,乳癌など)の罹患率が高かった.More....
(翻訳:泉谷昌志)
 

健康管理アクセス(Health care access)

8.メディケアは保険未加入の慢性疾患患者が65歳を過ぎた際のサービスの急激な増加に遭遇する
 メディケアの資格を取得する前後の大規模成人集団を追跡した,新たな研究によると,これまでに保険に加入していない慢性疾患を有する成人は,メディケアの資格を有するようになった場合,医療介護サービスの利用が有意に増加することを見い出した.その研究は,65歳以前に,高血圧,糖尿病,心疾患,脳卒中と診断されたこれまで保険未加入であった成人は,政府の医療給付金を受けるようになった後に,これまで保険に加入していた成人より13%以上の医療機関の受診,20%以上の入院,51%以上の医療歳出を生ずることを見い出した.More....
 (翻訳:加藤秀章)
 

FDAニュース(FDA news)

9.アルツハイマー病およびパーキンソン病による痴呆のための貼付薬,初めて承認される
  FDA(米国食品医薬品局)は,軽度から中等度のアルツハイマー病およびパーキンソン病に伴う痴呆を治療するための貼付薬をこの度初めて承認した.製造元であるNovartis Pharmaceuticalsの研究によると,この貼付薬(Exelon Patch)はプラセボに比し,記憶および日常生活における活動度を改善させたという.この貼付薬の成分であるrivastigmine(商品名:Exelon)はすでにカプセル剤として使用されているが,貼付薬の場合,常に安定した血中濃度を保つことができる.More....  
 (翻訳:井上直紀)

10.FDAが脳卒中に対するロボット式腕用装具(robotic arm brace)を認可
  FDAは先週,ロボット式腕用装具(robotic arm brace)に市販許可を与えた.これは,脳卒中後の患者が不全麻痺をきたした腕を再び使えるよう介助したり,脳卒中後の患側の筋肉を再び動かせるようにするの訓練を介助する.Myomo社が製造するe100 NeuroRobotic Systemは,皮膚表面において筋肉の収縮を感知するセンサーを持ち,使用者が簡単な腕の動きを制御することを助ける.これにより患者は,感覚・運動の神経経路を強化し,より独立して腕を動かせるようになるかもしれない.More....  
 (翻訳:泉谷昌志)
 

学会ニュース(College news)

11.臨床医の指導者と議会の指導者が国会に集合する
  John Tooker氏(ACP主任副会長兼最高経営責任者)は,メデイケア下の臨床医への支払い安定化への援助の要請のため,先週,議会の指導者と面談した.Tooker氏はRick Kellerman氏(米国家庭医学会会長)とJohn Crosby氏(米国整骨医協会主任部長)とともに欠陥のあるメデイケア医師報酬形式の改正を目的とした立法的な戦略を議論するために国会議員と会談した.More....  
 (翻訳:加藤秀章)

12.ACP会員がAMAの指導的メンバーとして選出される
  ACP(米国内科学会)の4人の会員が,AMA(米国医学会)の評議会においてその指導的メンバーとして選出された.Nancy H. Neilsen, MACP, PhDは次期会長,Cyril M. "Kim" Hetsko, FACPは理事,Barbara McAneny, FACPはメディカルサービス会議の議員,Sandra Adamson Fryhofer, MACPは科学と公衆衛生会議の議員としてそれぞれ選ばれた.今回の選挙は2007年のAMAの年次会議において行われた.More....  
 (翻訳:井上直紀)