年次総会について

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ACP日本支部年次総会のイノベーション:3年間(2012―14年)の記録

福原 俊一
MACP, ACP日本支部 副支部長

Challenges:

ACP日本支部は、2011年に我が国の医学分野で最大の学会である日本内科学会(JSIM)から独立することを決定しました。それまでは、ACP日本支部の年次総会は、毎年優に10,000人以上の内科医が参加するJSIM年次総会の一部として、同じ日程、同じ会場で開催されていたために、ACP会員にも参加しやすさがありました。JSIMの参加者が多い理由の一つとして、年次総会に参加すると生涯教育の単位(CME)が多数付与され、内科認定医や専門医の専門資格更新に役立つ事が挙げられます(日本では、資格更新試験はありません)。ACP日本支部がJSIMから独立することは、2012年の年次総会から、このCME付与のメリットを生かせなくなることを意味していました。また独立前にはJSIMの会場を無料で使用できたのですが、それもできなくなりました。

イノベーション:

ACP日本支部が独立したその年に、私はSPCの委員長を仰せつかり、最初の理事会の席上で、いきなり2012-14年の年次総会の企画・準備・運営の全てを一任されました。まさに青天の霹靂、これは大変なことになったと、目の前が暗くなりました。
上記のChallengeを乗り越えるためには、これまでと異なるやり方、つまり年次会合のイノベーションが必要なことは明らかでした。まずは、3年間のグランドデザインを作ることにしました。ビジョンと目標の設定を行い、目標達成するための戦略を考案しました。要約すると以下の如くになります

  1. ビジョン:我が国の内科診療の質の向上を実現し、国民のニーズに答えること
  2. 目標設定:ACP会員を増加させることが最も重要ですが、これは短期には無理なので中長期のゴールとし、3年間の目標を年次総会の参加者を倍増させること、としました。
  3. 目標達成のための戦略: ACP会員資格の有無に関わらず、全ての内科医、研修医、医学生にとって魅力的で、価値がある年次総会にする。
    1. 使用言語をこれまでの英語のみから、日本語を主要言語とする。ただし、どの時間帯にも必ず英語セッションを設ける
    2. 内科診療の質向上に資する実践的な教育セッションを多数提供する
    3. 参加者が中心的役割を担うワークショップの場を設ける
    4. シンポジウムやワークショップ案を会員から公募し、開かれた学会にする
    5. 学会であるからには学術面も重視し、研究デザインの教育セッションを設ける、ポスターセッションを開始し、学生、若手の切磋琢磨の場とする
    6. 企業色が一切ない中で、病院広報ブースを設け、財政健全化に資する
    7. あらゆる方略を用いて年次会合を広報、周知する。ホームページの作成。

上記の方針の策定と実行は、柴垣 有吾SPC副委員長のご支援なくしては不可能でした。また準備にあたりSPCを超えた実行委員会を組織し、多くの方に学生・研修医・広報等の重要な機能を強化していただき、大きな支えとなりました。

アウトカム:

  1. 参加者が、2012年 287名、2013年 582名、2014年 645名、と増え続け、結果的に、2011年以前に比較して約6倍の参加者を得るまでに成長しました。
  2. そのうち非会員の内科医の割合は、50%超でした。
  3. 年次総会参加者への事後アンケートの回答者のうち87%が次年度にも参加する、79%が友人・知人にも勧める、また、ACP非会員のうち45%が会員登録を検討すると回答しました。2014soukai_q.pdf
  4. 2012年は約5,000米ドルの赤字でしたが、2013年、2014年の会合の収支はそれぞれ、約10,000米ドル、約7,000米ドルの黒字となりました。

エボリューション:

SPCは、ACP年次総会のスタイルを根本的に変える事により、特に若手医師のための教育機会を提供し、熱意溢れる、全く新しいコンテンツと雰囲気を持つ会合に進化させる事が出来ました。参加者は、2011年度以前に比較して約6倍以上の参加者を集めるようになり、非会員が参加しました。また参加者から高い評価を得ました。
ACP年次総会のイノベーションは一定の成果をあげましたが、多くの課題が残っています。今後ACP日本支部の認知度をさらに向上させ、ACP日本人会員を増加させる必要があります。一方で、ACP年次総会がACP日本支部のコア活動の一つであり続けることも確かであり、ACP日本人会員増のためにも、年次総会を最大限に活用することが期待されます。そのためには、このACP年次総会をさらに進化させること、エボリューションが必要なのは言うまでもありません。
ACP日本支部が、弛まぬイノベーションとエボリューションを通じてさらに飛躍し、ひいてはACPの究極の目標である内科診療の質の向上を実現し、日本国民のニーズに答える事に貢献することを願ってやみません。(資料:2014年レセプション会長挨拶pdf)

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