USPSTF推奨:肺がんスクリーニング
Lung Cancer: Screening(March 9, 2021)
米国予防医療専門委員会(USPSTF)推奨声明
US Preventive Services Task Force Recommendation Statement
日本語訳最終更新日:2026年5月1日


米国予防医療専門委員会(USPSTF)推奨声明
US Preventive Services Task Force Recommendation Statement
日本語訳最終更新日:2026年5月1日
原文リンク
https://www.uspreventiveservicestaskforce.org/uspstf/recommendation/lung-cancer-screening
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2777244
(以下は要約の日本語訳の紹介です。詳細は原文を御覧ください。)
| 対象 | 推奨 | グレード |
|---|---|---|
| 50〜80歳の成人で、20箱・年以上の喫煙歴があり、現在も喫煙しているか、または過去15年以内に禁煙した者 |
肺がんは米国で2番目に多いがんであり、がんの死因の首位である。米国予防医療専門委員会(USPSTF)は、50〜80歳の成人で20箱・年以上の喫煙歴があり、現在も喫煙している者、または過去15年以内に禁煙した者に対し、低線量コンピュータ断層撮影(LDCT)による肺がんの年1回のスクリーニングを推奨している。 また、禁煙から15年以上経過した場合、あるいは余命を著しく短縮させる健康上の問題を有する場合や治癒を目的とした肺手術を受ける能力・意思がない場合には、スクリーニングを中止すべきである。 |
B |
肺がんは米国において第二位の発生頻度を持つがんであると報告されています。2020年における米国での肺がん診断数は228,820例、死亡数は135,720例です(1)。
肺がん発症の最も重要なリスク因子は喫煙です(2)(3) 。肺がん症例の約90%が喫煙と関連があり(2)、喫煙者は非喫煙者に比べて肺がんの相対リスクが約20倍高いとされています(3)。加齢も肺癌のリスク因子です。肺がんの診断時の年齢中央値は70歳とされています。(4)(5) 肺がんの予後は一般的に不良で、5年生存率は20.5%です(1) 。 しかし、早期肺がんの予後は良好で、治療可能です。
USPSTFは、中等度の確実性をもって年齢、喫煙歴の総曝露量、禁煙してからの年数に基づき肺がん高リスクと判断される人を対象とした、低線量CT(LDCT)による年間スクリーニングが、中等度の正味の利益(ネットベネフィット)をもたらすと結論付けました。
このスクリーニングは50歳から80歳の喫煙量(累積暴露量)が20箱-年以上で、喫煙中もしくは禁煙後15年以内の者に推奨されます。
喫煙と高年齢は、肺がんの最も重要な二つのリスク因子です(3-5)。喫煙者における肺がんリスクは、累積喫煙量や喫煙期間、加齢とともに上昇しますが、過去に喫煙していた人では禁煙後の経過年数が増えるほど低下します(3)。USPSTFは、50歳から80歳までの成人のうち、20箱-年以上の喫煙歴があり、現在喫煙している、または過去15年以内に禁煙した人を高リスク群と見なし、この集団に対して低線量CT(LDCT)による年一回の肺がん検診を推奨しています。
黒人男性は白人男性より肺がん罹患率が高く、黒人女性は白人女性より罹患率が低いことが報告されています(1)。これらの違いは、喫煙の曝露(喫煙率)やタバコに含まれる発がん物質への曝露の違いによる可能性が高いと考えられています(7)(8)。また、その他の社会的リスク因子が関与している可能性もあります。
そのほかの肺がん危険因子としては環境曝露、放射線治療の既往、他の(非がん性の)肺疾患、家族歴などが挙げられます。また、学歴が低いことも肺がんリスクの上昇と関連しています(7)。USPSTFは、スクリーニング対象の判定においてより複雑なリスク予測モデルではなく、年齢と喫煙歴を用いることを推奨しています。その理由はリスク予測モデルに基づくスクリーニングが、年齢と喫煙歴を用いる現行の方法と比べてアウトカムを改善するかどうかを判断するだけの十分なエビデンスがないためです。
低線量CTは肺がんの検出において感度が高く特異度も妥当であり、高リスク者を対象としたスクリーニングで有益性が示されています(9–11)。一方で喀痰細胞診、胸部X線撮影、バイオマーカー測定値などのその他の潜在的なスクリーニング手法は有益性が確認されていないため推奨されていません(12,13)。
肺がんスクリーニングの有益性を示した2つの試験では、スクリーニング間隔が異なっていました。National Lung Screening Trial(NLST)では3年間、毎年スクリーニングが実施されました(9)。Nederlands-Leuvens Longkanker Screenings Onderzoek(NELSON)試験では、1年、その後2年、次に2.5年という間隔でスクリーニングが行われました(11)。
Cancer Intervention and Surveillance Modeling Network(CISNET)によるモデリング研究では、年1回のスクリーニングの方が隔年スクリーニングよりもより大きな利益をもたらすことが示唆されています(14,15)。これらのエビデンスとモデリング結果に基づき、USPSTFは年1回のスクリーニングを推奨しています。
肺がんの治療には手術、化学療法、放射線治療、分子標的治療、免疫療法、またはそれらを組み合わせた治療が用いられます(16)。ステージIまたはIIの非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対しては、外科的切除が現在の第一選択と一般的に考えられています(17)。
利用可能なデータによると、肺がんスクリーニングの受診率は低いことが示されています。10州のデータを用いた最近の研究では、2013年のUSPSTF基準に基づきスクリーニング対象となる人のうち、過去12か月間にスクリーニングを受けたのは14.4%にとどまっていました(18)。肺がんスクリーニングの利益を実現するためには、スクリーニングについての対話を増やし、希望する対象者にスクリーニングを提供することが重要な一歩となります。
USPSTFは2013年推奨の更新にあたり、LDCTによる肺がんスクリーニングの精度、利益、害に関する系統的レビューとCISNETモデル研究を実施しました(24,25)。スクリーニングの利益が人種・性別などで異なるか、頻度やLung-RADSなどの評価法で害が変化するか、リスク予測モデルが年齢・喫煙歴に基づく基準より優れているかが検討されました。CISNET研究では、最適な開始・終了年齢や箱-年基準の影響が示され、これらはレビューを補完する知見となりました(14,15)。
LDCTによる早期発見の利益はNLSTとNELSONが最も強く示しており、NLSTでは肺がん死亡率20%低下が報告されました(95%CI 6.8%–26.7%)(9)。NELSONでも10年間の追跡調査において、スクリーニング群で肺がん死亡が181例、対照群で242例認められました(発生率比[IRR]0.75、95%CI 0.61–0.90)。NLSTでは胸部X線検査と比較して、LDCTスクリーニングにより全死因死亡の減少も認められました(発生率比[IRR]0.93、95%CI 0.88–0.99)。50〜55歳の比較的軽い喫煙歴の人にも有益であることがNELSONで示されました(11)。
CISNETモデル研究では、喫煙歴20箱-年以上・50〜80歳(A-50-80-20-15)が2013年基準(A-55-80-30-15)より多くの肺がん死亡を防ぎ、生存年数も増えると推計されています(14)。この基準変更は、人種間の適格性格差を軽減する可能性もあり、黒人やヒスパニックの喫煙者で適格率が大幅に上昇すると推定されています(7,14,29–32)。
リスク予測モデルは肺がん死亡回避数を増やす一方、高齢者への集中により生存年数増加が限定的になる場合があり、過剰診断も増える傾向が示されています(14)。また、モデルは複雑で実装の障壁となる可能性があり、現時点では年齢・箱-年基準より臨床アウトカムが改善する明確なエビデンスはありません。
USPSTFは、最終的な肺がん診断を基準とした低線量CT(LDCT)の感度・特異度・予測値を報告した複数のRCTおよびコホート研究をレビューしました(24,25)。報告のある研究では、感度は59〜100%、特異度は26.4〜99.7%、陽性的中率は3.3〜43.5%、陰性的中率は97.7〜100%と幅がありました。NLSTでは感度93.1%、特異度76.5%、NELSON試験では感度59%、特異度95.8%と報告されています。陰性的中率はほぼ同等である一方、陽性的中率はNLSTで3.3%、NELSONで43.5%と大きく異なりました。これは、NELSONが体積(ボリューム)評価を用い、不確定結節カテゴリーを設けたのに対し、NLSTは最大径評価のみで不確定カテゴリーを設けていないことによる違いと考えられます。
また3つの後ろ向き研究では、結節判定方法を変更した場合の精度の影響を比較し、Lung-RADSをNLSTに適用すると特異度が上昇し感度が低下すること、I-ELCAP基準(平均径5〜6mm以上)を用いると陽性的中率が上昇することが示されました(21,27,28)。
LDCTによる肺がんスクリーニングの有効性については、USPSTFが7つのRCTを評価した結果、十分な検出力をもって肺がん死亡率減少を示したのはNLSTとNELSON試験の2研究のみでした。NLSTでは55〜74歳、喫煙歴30箱-年以上の53,454名を対象に、肺がん死亡率が20%低下し、追跡延長解析でも16%のリスク減少が確認されました。NELSON試験(n=15,792)でも50〜74歳を対象とし、10年追跡で肺がん死亡の発生率比は0.75と有意な減少が示されています。またNLSTでは全死亡率も低下しており、LDCTスクリーニングが臨床的意義を持つことが示唆されます。スクリーニング間隔については、NLSTが毎年、NELSONが1年・2年・2.5年間隔で実施されましたが、CISNETモデル研究では隔年よりも毎年実施する方が死亡率減少および生存年数の点で有利とされています。
スクリーニングの適格基準に関して、CISNETモデルは1960年出生コホートを用いて、2013年USPSTF(A-55-80-30-15)と同等以上の死亡率減少効果を持つ効率的な戦略を検討しました。その結果、喫煙歴20箱-年以上を最低基準とし開始年齢50歳または55歳、終了年齢80歳とする基準が、4モデル中3モデル以上で“最適”と判断されました。実際、A-50-80-20-15(50〜80歳、喫煙歴20箱-年以上、現喫煙または禁煙15年以内)を採用すると、肺がん死亡率減少は9.8%から13.0%へと改善し、死亡回避数や生存年数も大幅に増加することが推定され、新たなRCTとモデル研究がこの基準を強く支持しています。
さらに、喫煙量の少ない集団での適格性改善にも注目すべき点があります。黒人の喫煙者は白人より肺がんリスクが高く、特に喫煙強度が低い場合に格差が顕著です。Southern Community Cohort Studyでは、2013年基準でのスクリーニング適格率が黒人で17%、白人で31%と大きな差がありました。喫煙歴20箱-年に基準を緩和したA-50-80-20-15を適用すると、黒人では適格率が107%、ヒスパニックでは112%増加し、女性でも96%増加するなど喫煙量が少ない集団における格差ぜ正に寄与する可能性が示されています。
適格基準のもう1つの検討として、PLCOm2012、LCDRAT、Bachモデルといったリスク予測モデルも評価されています。しかし、年齢・性別・喫煙強度・喫煙期間といった主要因に限定して用いた場合、より高齢者の選定へ偏ることにより死亡回避数は増えても生存年数の増加は限定的となり、さらに過剰診断が増えることが示されました。また、モデル利用の複雑性がスクリーニング普及の障壁になる可能性も指摘されています。現時点ではUSPSTF基準とリスクモデルを直接比較した前向き試験は存在せず、ILST(International Lung Screening Trial)が将来的にこの問題に回答する可能性があります。総じて、複雑なリスクモデルが年齢と喫煙歴による単純な基準を上回るという十分な証拠は得られていません。
肺がんスクリーニングには、偽陽性、過剰診断、放射線被曝、偶発的所見、心理的負担などの害が報告されています。
NLSTではベースラインの偽陽性率が26.3%、NELSON試験でも19.8%と比較的高い値が示されました(9,11,37)。Lung-RADSの使用により偽陽性率が低下する可能性が示唆されています(21)。偽陽性により追加検査や生検、手術が行われることがあり、NLSTでは侵襲的処置が1.7%、重大な合併症が0.1%、60日以内の死亡が0.007%に認められました(9)。
過剰診断については、追跡期間により推計が変動します。NLSTでは初期解析で119例の超過がんが報告されましたが、延長追跡では群間差は有意ではなくなりました(9,24,39)。NELSON試験では10年で40例、11年で14例の超過がんが示されました(11)。モデル解析では、過剰診断率は2013年基準で6.3%、2021年基準で6.0%と推定されています(14)。
LDCT1回あたりの放射線量は0.65〜2.36mSvで、累積被曝によるがんリスクは低いものの存在するとされています(24,40,41)。CISNETでは、対象者が増える2021年基準の方が放射線関連の肺がん死亡が相対的に増えると推計されています(14)。
心理的影響については、LDCTを受けることで禁煙率や健康関連QOLが悪化するという明確な証拠はありませんが、真陽性や不確定所見を受けた方では短期的に不安が増加する可能性があります(24)。偶発的所見は4.4〜40.7%で報告されており、追加検査や処置につながることがあります(24)。NLSTでは、LDCT群の0.39%が腎・甲状腺・肝臓などの非肺がんと診断されました(42)。
この推奨の草案は2020年7月7日から8月3日までUSPSTFウェブサイトで公開され、意見募集が行われました。多くのコメントが推奨に賛同しましたが、一部ではスクリーニングの適格基準の拡大や喫煙以外のリスク因子の重要性について指摘がありました。これに対し、USPSTFは喫煙以外の危険因子の存在を認めつつも、現時点ではそれらを適格基準に含める十分なエビデンスはないと明記しました。
また非喫煙者にも肺がんは発生し得る点についても言及しつつ、喫煙が主要なリスク因子であり、既存の試験やモデル研究は喫煙者・元喫煙者を対象としていることから、現行推奨が利益と害のバランスの面で妥当であることを強調しました。
コメントの中には、リスク予測モデルを用いた適格判定の導入を求める意見もありましたが、USPSTFはこれらのモデルは実装を複雑にする可能性があり、USPSTF基準とモデルを前向きに直接比較した試験が存在しないと説明しました。あわせて、この課題に取り組む前向き研究であるILSTへの言及を追加しました。
そのほか、肺がんスクリーニングの受診率が非常に低い現状や、Latinx/Hispanicにおける適格性への影響に関するデータも追加されました。最後に、追加ツールやリソースの項目が更新され関連リンクが整備されました。
肺がんは、肺組織に由来する悪性細胞の増殖によって生じます。喫煙は肺がんに対する最も強力な危険因子であり、高齢になるほど肺がんの発症率も上昇します。肺がんは細胞型や免疫組織化学的・分子学的特徴に基づき、大きく2つに分類されます。すなわち、腺がん・扁平上皮がん・大細胞がんを含む非小細胞肺がん(NSCLC)と、小細胞肺がんです。
スクリーニングは主にNSCLCを早期に検出することを目的としており、小細胞肺がんは発生頻度が低く、さらに進行が非常に速いため、早期で治癒可能な段階でのスクリーニング検出が困難なことが理由です。
現在肺がん患者の79%は、診断時点ですでにリンパ節転移または遠隔転移を伴っています。一方、限局期で診断される患者は17%に過ぎません。限局期で診断された患者の5年生存率は59%であるのに対し、局所進行期では32%、遠隔転移を有する患者では6%です(1)。スクリーニングにより早期に発見し治療につなげることで、より高い治癒の可能性を患者にもたらすことができます。
55〜79歳で喫煙歴30箱-年以上の北米在住者に対して、年1回のLDCTによる肺がんスクリーニングを推奨しています。また、50歳以上かつ喫煙歴20箱-年以上で、今後5年間の肺がん累積発症リスクが5%以上ある場合にも、スクリーニングを行うことを推奨しています。
55〜74歳で概ね健康状態が良好、喫煙歴30箱-年以上で、現在喫煙中または過去15年以内に禁煙した人に、年1回のLDCTを推奨しています。また、禁煙支援、共有意思決定、質の高いスクリーニング・治療施設での実施を推奨しています。
55〜77歳で喫煙歴30箱-年以上の無症候性の喫煙者または元喫煙者に、年1回のLDCTスクリーニングを行うことを推奨しています。一方で、スクリーン検出所見の評価や早期肺がん治療に耐えられない併存疾患がある場合は、スクリーニングを行わないよう推奨しています。
55〜77歳で喫煙歴30箱-年以上かつ現在喫煙中または15年以内の禁煙者、または50歳以上で喫煙歴20箱-年以上あり、肺がんの追加リスク因子を1つ以上有する人に、年1回のLDCTによるスクリーニングを推奨しています。
年齢と喫煙歴に基づく高リスク者へのLDCTスクリーニングについては、推奨の賛否を判断するためのエビデンスが不十分であると結論づけています。
日本における2023年のがん死亡統計では、がん死亡原因として肺がんは男性で第一位、女性では第二位となっています。2023年において、肺がんにより死亡した男性は52,908例、女性は22,854例でした。また、日本における2023年の成人喫煙率は15.7%であり、男性25.6%、女性6.9%でした(2023年厚生労働省国民健康・栄養調査)。 10年間で有意な減少がみられますが、40〜50代の男性では約3割と依然として高めの水準が維持されています。こうした状況から、将来にわたって肺がんの発生・死亡率が高止まりする可能性があることを鑑みると、高リスク群を対象とした肺がんスクリーニングの導入検討が日本でも極めて重要と考えられます。
国立がん研究センター がん対策研究所による「有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン2025年度版」では、「重喫煙者への低線量CT検査」は複数のRCTにより死亡率減少効果を示す科学的根拠があるとされ、対象年齢は50〜74歳、検診間隔は年1回が望ましいとされています(推奨グレードA)。一方、「重喫煙者以外に対する低線量CT検査」については、死亡率減少効果を示す十分な科学的根拠がなく、対策型検診としては実施しないことが推奨されています(推奨グレードI)。
同ガイドラインでは、肺がん検診として胸部X線検査が推奨グレードAで推奨され、対象年齢は40-79歳、検診間隔は1年に1回が望ましいとされています。この推奨はUSPSTFと異なります。USPSTFが胸部X線検査による肺がん検診について、1996年まではD推奨(not recommended.)、2004年にはI声明(the evidence is insufficient to recommend for or against screening)としています(49, 50)。2013年のUSPSTF推奨文では胸部X線検査に言及はしておりませんが、推奨論文中では、「質が「中程度」から「良好」の2件の試験では、胸部X線検査によるスクリーニングに有益な効果は認めらませんでした。これらの研究のうち規模の大きいPLCOがん検診研究(2011年)では、一般集団から15万人以上の参加者を対象に評価が行われましたが、この集団においても、また受動喫煙の曝露歴があるサブグループにおいても、この種の検診による有益性は認められませんでした。」と記載があります(51)。その2013年のUSPSTF推奨文には重喫煙者に対して低線量CTを推奨する(B推奨)とありますが、推奨文自体には胸部X線に対する言及はありません。最新版である2021年のUSPSTFでは、胸部X線での肺がん検診はエビデンスレビューに含まれていません。前述のACS(米国がん協会)(44)、ACCP(米国胸部内科学会)(45)、NCCN(米国総合がんネットワーク)(46)、AAFP(米国家庭医学会)(47)も肺がん検診として胸部X線を推奨しておりません。
「重喫煙者に対する胸部X線検査と喀痰細胞診の併用法」については、その効果が明確ではなく、対策型検診および任意型検診として実施しないことが勧められています(推奨グレードD)(48)。