医師のバーンアウト調査研究(2024年3月実施)に関するご報告
2025年6月9日
平素よりACP日本支部の活動にご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございます。
ACP日本支部Physicians’ Well-being CommitteeからACP会員のみなさまにご報告です。
2024年3月に実施いたしました医師のウェルビーイングに関するアンケート調査に際しましては、多大なるご協力を賜り、心よりお礼申し上げます。このたび、Internal Medicine誌に同調査の結果が「Burnout in Japanese Internists and Primary Care Physicians in 2024: Prevalence and Risk Factors Using Structural Equation Modeling」として掲載されましたので、ご報告申し上げます。
本研究は、アンケート調査の結果をもとに、日本の内科医およびプライマリ・ケア医におけるバーンアウトの有病率を記述し、そのリスク要因の構造的関係を構造方程式モデリング(SEM)で分析したものです。ご回答いただいた103名のうち、26.2%がバーンアウトの症状を有しており、特に若年層で有病率が高い傾向が認められました。SEMの結果、レジリエンスおよびチームワークがバーンアウトの抑制因子として有意に関連していることが明らかとなりました。これらの知見は、医師のバーンアウト対策において、個人のレジリエンス向上や職場内の協働体制の強化が重要であることを示唆するものです。
本研究は、ひとえにACP日本支部会員の皆さまのご協力により実現したものであり、この場を借りて心より御礼申し上げます。日本の医療者に関するバーンアウトのエビデンスは依然として限られており、本研究は基礎的なデータを提供できたものと考えます。
今後もPhysicians’ Well-being Committeeでは、ACP日本支部および日本の医師の心身の健康維持と支援に向けた活動を継続してまいります。引き続き、皆さまのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
掲載論文の詳細は、以下よりご参照いただけます:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/advpub/0/advpub_5530-25/_article
Kiyoshi Shikino, Akira Kuriyama, Yoshito Nishimura, Michito Sadohara, Saori Nonaka, Kosuke Ishizuka, Fumitoshi Fukuzawa, Hanae Shimura, Noriko Yamamoto, Mitsuru Moriya on behalf of Japan Physicians Well-being 2024 Study Group. Burnout in Japanese Internists and Primary Care Physicians in 2024: Prevalence and Risk Factors Using Structural Equation Modeling. Intern Med. 2025 May 22 (Online ahead of print).
Physicians’ Well-being Committee 委員長 鋪野紀好、副委員長 栗山明