新型コロナウイルス流行下における医師のストレス要因と対処法に関する調査研究がJournal of General and Family Medicine誌で出版されました

2022年5月25日

ACP日本支部Physician’s Well-being Committee(以下、PWC)からACP会員の皆さまにご報告です。この度、PWCからWork-related stress and coping methods of internists and primary care physicians during the COVID-19 pandemic in Japan: A mixed-method study”の論文がJournal of General and Family Medicine誌で出版されましたのでご報告させて頂きます。調査にご協力頂いた皆様に心より御礼申し上げます。

今回の調査ではCOVID-19流行下で、医師のバーンアウトを引き起こすストレス要因ならびにその対処法の検討を目的としています。これまでは量的なデータでの解析が中心でしたが、今回は量的データに質的データを組合せた混合研究法により、上記を分析することで新たな知見が得られています。

COVID-19に関連するストレス要因として12つのカテゴリー、ストレス対処法として7のカテゴリーが抽出されています。これらは医師のバーンアウトに関連している可能性があるとともに、本研究で明らかになったストレス対処法を実践することで、バーンアウト軽減に繋がるかもしれません。

近年医師の働き方改革を皮切りに、医師の健康に対して注目が集まっています。是非ともご覧ください。

Kiyoshi Shikino, Akira Kuriyama, Michito Sadohara, Takahiro Matsuo, Kazuya Nagasaki, Yoshito Nishimura, Saori Nonaka, Masashi Izumiya, Mitsuru Moriya,Yoichi Ohtake, Tetsuya Makiishi.

Work-related stress and coping methods of internists and primary care physicians during the COVID-19 pandemic in Japan: A mixed-method study.

Journal of General and Family Medicine. 2022.

http://doi.org/10.1002/jgf2.560

 

文責:Physicians’ Well-being Committee

The Mini-Z 2.0 survey調査(第1期〜2期)の論文がInternal Medicine誌に掲載されました

2022年1月5日

ACP日本支部の皆様

お世話になっております。ACP日本支部Physician’s Well-being Ad-hoc Committee(以下、PWC)の野中沙織と申します。このたび、PWCの研究チームから「Prevalence of Burnout among Internal Medicine and Primary Care Physicians before and during the COVID-19 Pandemic in Japan」という論文がInternal Medicine誌に掲載されましたので、ご報告させていたただきます。

(掲載先リンク:https://doi.org/10.2169/internalmedicine.8118-21

PWCは2019年に発足した活動チームで、医師の健康についての活動をしてまいりました。牧石徹也先生(島根大学医学部 総合医療学講座)をリーダー(現委員長)とし、私を含めた12名で構成されています。Mini-Z 2.0 surveyという医師の健康とバーンアウトに関する尺度を利用したアンケートの翻訳およびアンケートの実施を行い、支部総会でのワークショップを開催して参りました。継続的な活動を行うため、2021年から、Ad-Hoc Committeeへ昇格しております。

我々のチームはこれまでに合計3回(第1回:2020年1月、第2回:2020年6月、第3回:2021年3月)のアンケートを実施してまいりました。図らずも先に行った2回のアンケートはCOVID-19のパンデミック前後となっておりました。今回の論文は、みなさまにご回答頂いたCOVID-19のパンデミック前後2回のアンケート結果を分析し、COVID-19が医師の健康に対してどのような影響を与えているかを考察しております。

第1回283名、第2回322名の方にアンケートご回答頂きました。それぞれ98名(34.6%)、111名(34.5%)がバーンアウト状態と判断されました。この2回の調査において、バーンアウトの有病率には有意差は認められませんでした。
第2回のアンケートでは、82名(25.5%)が2020年1月に比べてバーンアウトのレベルが悪化したと回答していらっしゃいました。バーンアウトの悪化は、自己隔離の経験のみと関連し(オッズ比[OR]3.12;95%信頼区間[CI]1.49-6.50;P=0.002),これまでの研究で指摘されていた女性であること,研修医であること,緊急事態宣言下の県で勤務した経験とは関連がありませんでした。

また、私たちは2021年3月に第3回目のMini-Z 2.0 surveyをACP日本支部会員に向けて行いました。みなさまから頂いた切実な現場の声を、論文という形で残そうと進めております。

コロナ禍をきっかけに、医療界だけでなく、非医療者の方も医師の健康に関心を持ってくださるようになってきました。持続的、かつ質の高い医療を行うために、私たちは医師の健康に関する活動及び研究を続けていきたいと思います。今後とも調査等ではお手数をおかけしますが、何卒ご協力いただけますと幸いです。

台東区立台東病院 野中沙織

 

コロナ禍における医師のバーンアウトの研究が Asian Journal of Psychiatry 誌で出版されました

2021年12月21日

文責:Physicians’ Well-being Committee

ACP日本支部Physician’s Well-being Committee(以下、PWC)からACP会員の皆さまにご報告です。この度、PWCから”Burnout, depression, anxiety, and insomnia of internists and primary care physicians during the COVID-19 pandemic in Japan: A cross-sectional survey”の論文がAsian Journal of Psychiatry誌で出版されましたのでご報告させて頂きます。調査にご協力頂いた皆様に心より御礼申し上げます。

今回の調査ではCOVID-19患者の流行により、医師の健康にどのような影響が出ているかを評価することを目的としています。今回の調査により、日本人内科医およびプライマリ・ケア医の約30%がバーンアウト、不安、不眠の症状を有していることが分かりました。またコロナ禍において約15%が抑うつ状態となっていたこともわかりました。コロナ禍は医療者の精神状態に影響を及ぼしていることが推察され、これらを軽減するための介入が必要であると考えられます。これらの情報は、コロナ禍で医療崩壊が現実となった今、医療を支える医師の声として貴重な情報になると考えております。
近年医師の働き方改革を皮切りに、医師の健康に対して注目が集まっています。是非ともご覧ください。

Akira Kuriyama, Kiyoshi Shikino,Mitsuru Moriya, Michito Sadohara, Saori Nonaka, Kazuya Nagasaki, Yoshito Nishimura, Takahiro Matsuo, Kumiko Muramatsu, Tetsuya Makiishi. Burnout, depression, anxiety, and insomnia of internists and primary care physicians during the COVID-19 pandemic in Japan: A cross-sectional survey. Asian Journal of Psychiatry. 2022.

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1876201821004123