2022~2023年度ACP日本支部Volunteerism Award受賞者の言葉

2023年12月4日

2022~2023年度ACP日本支部Volunteerism Awardを受賞して

島根大学総合医療学講座の牧石徹也先生から、2022~2023年度ACP日本支部Volunteerism Award受賞の報告を頂きましたのでご報告いたします。

本賞は医療、福祉、教育に関してボランティア活動として多大な社会貢献をされたACP会員の方に授与される賞です。

ACP Japan Chapter Volunteerism Awardに選出くださり、大変光栄に存じます。

私は2010年にACPに入会しました。医学生時代に米国での臨床留学に憧れてUSMLEを受験したりしつつも、卒業し、家庭を持ち、日々の臨床に追われる中で、いつの間にか臨床留学の夢がほろ苦い思い出に変わった三十代半ばの頃でした。

ACP-JCではこれまで、YPC (Young Physicians Committee)、IEPC (International Exchange Program Committee)、そしてPWC (Physicians’ Well-being Committee)に所属させて頂きました。ACP本部の方では過去数年間Capstone ProjectのReview Boardに参加させて頂いております。これらの活動を通じ、通常の学会活動では決して知り合うことの出来なかったであろう素晴らしい先生方や事務の方々と日々連絡を取り、さまざまなプロジェクトをご一緒する機会に恵まれました。立場の異なるもの同士、メンバー間での意見交換や情報共有、またミーティングでの雑談など、全てが貴重な経験でした。PWCではメンバー内外のご協力により『医師の燃え尽き症候群』(金芳堂)の編集にも携わらせて頂くが出来ました。本の刊行など一生無関係だろうと思っておりましたが、意義のある書籍の出版に関わらせて頂きましたことを大変感謝しています。また、委員会活動では歴代支部長の温かいご支援を常に感じておりました。改めて厚く感謝申し上げます。

この他、2014年、矢野晴美先生(現ACP-JC 支部長)に強く背中を押して頂いて当時IEPCが提供していたUCLA関連病院での臨床見学プログラムに参加する機会にも恵まれました。ロサンゼルス郊外にあるOlive View病院での1ヶ月間は、苦い思い出を消し去ってくれただけでなく医学教育への向き合い方を再考する貴重な機会となりました。またそこで、生涯の友となるルームメイトに出会うことにもなりました。

ACPでの活動を通じた様々な出会いやそこで受けた刺激によって私のキャリアは入会前に予想していたものから大きく変化し、2020年から現在の職場に移動することになりました。現在、医学生・研修医への教育や、若手へのジェネラルマインド涵養に携わる立場となりましたが、教えるよりも学ばねばならないことが圧倒的に多く、職場は変われど万年研修医の立ち位置にいささかの変化もありません。ただ、ACPのお陰で(朧げながら)理解した『世界標準の医学教育の型』をもとに彼らの視野を広げることに全力を尽くすことで、ACP、そしてお世話になって多くの方々へのご恩返しとしたいと思っております。

今回の受賞は(持ち前の厚かましさで)ACPの活動に多数参加させて頂いたことや書籍の出版などをご評価頂いたものかと存じますが、上述の通り感謝申し上げるのは私の方であり、頂いて良かったものやら大変恐縮しております。今後引退するまでの間、世のため人のためACPのために尽くすことで、何とか本賞に相応しい貢献が出来ればと思っております。面目ございませんがご容赦ください。

最後に、ACPメンバーであることの一番の特典は、支部そして本部の様々な活動に積極的に参加することによって得られるネットワーキング、そしてそれがもたらす邂逅・セレンディピティにあると思います。そういった活動への参加には(私がそうであったように)経歴も職位もインパクトファクターも英語の上手い下手も関係ありません!ぜひ、皆さまがACPの提供する様々な活動に積極的に参加され、素晴らしい出会いに恵まれますことを心より祈念しております。