黒川賞(学生部門)受賞者の言葉

2021年10月7日

ACP日本支部年次総会・講演会2021 黒川賞(学生部門)を受賞して
聖路加国際病院初期研修医1年 上條恵莉子
2021年3月千葉大学医学部卒業

この度はACP日本支部2021年次総会において黒川賞を受賞することができ、大変光栄に存じます。

今回私は”Lower extremity edema caused by squamous cell carcinoma: physical findings and tests useful for differentiating lymphedema”という演題を発表させていただきました。悪性腫瘍は時に二次性リンパ浮腫を発症することがあり、早期に診断する必要があります。二次性リンパ浮腫を診断する上で、Stemmer‘s sign とインドシアニングリーン(ICG)リンパ管造影検査につの有用性を中心に発表しました。

Stemmer‘s signは足の背側の皮膚を持ち上げようとした際に、皮膚をつまむことができない場合に陽性と判断し、リンパ浮腫の診断に有用な身体診察です。Stemmer’s sign を施行するときは、第 2または3 趾が頻用されますが、他のすべての足趾も用いることができ、中足趾節関節のすぐ近位の背側の皮膚をつまむことで代用することができ、技術的に単純化することができます。

ICGリンパ管造影検査は、四肢リンパ浮腫に対する検査のゴールドスタンダードであるリンパシンチグラフィと比較しても、診断能力と疾患の重症度の評価能力は、同様の評価能力を有しています。それだけでなく、より低侵襲・低コストで行うことが出来ます。

今回の症例は、下腿の黒色潰瘍が原発巣となり、下腿浮腫を引き起こした症例でしたが、正確な身体診察を通して診断につなげることができたと考えています。「浮腫」をはじめとした日常診療において出逢う機会の多い病態に対して、より迅速に、簡便に、正確に診断できる方法を模索していきたいと思っております。

今回のACP日本支部年次総会での発表は自分にとって初めての症例報告でありまとめ方や伝え方などで思うようにいかないことも多々ありました。しかし、1つ1つの症例をアカデミックな視点を持って振り返ることで、深く学ぶ機会となり、次の診療に繋げることができることを実感いたしました。

改めましてこの場をお借りし、臨床実習のころより多大なるご指導をいただいた千葉大学医学部附属病院総合診療科の先生方に御礼を申し上げます。また、発表の機会を下さいました米国内科学会日本支部総会の関係者の皆様に感謝の意を表したいと思います。

 

 

黒川賞(若手医師部門)受賞者の言葉

2021年9月16日

ACP日本支部年次総会・講演会2021 黒川賞(若手医師部門)を受賞して
獨協医科大学 勝倉 真一


この度は米国内科学会日本支部2021年次総会において、名誉ある黒川賞を頂き、大変光栄に思います。
人工知能の医療現場における台頭には目を見張るものがありますが、それはもちろん診断学の世界でも例外ではなく、診断学を専門とする我々獨協総診チームが取り組んでいる研究領域の1つです。現存するAIによる代表的な外来診療支援システムには、AIによる自動問診および病歴生成と、AIによる鑑別診断リスト生成の2つのシステムがあり、それらシステムの組み合わせにより医師の診断能が向上することは過去にも報告されていましたが、そのどちらがより医師の診断プロセスに貢献しているのかを比較検証した報告はなかったため、今回の研究を計画するに至りました。結果として、今回の研究においては、AIの生成する鑑別診断リストはあまり医師の診断能に影響しませんでしたが、AI自体の診断能が向上すればそれらを利用する医師の診断能も向上することを示唆する結果も同時に得ることができ、今後さらなるAIテクノロジーの発展が期待されます。
恥ずかしながら、私はまだまだ研究者としては未熟であり、研究内容の企画立案から発表まで、志水太郎教授、原田侑典講師をはじめとした獨協総診のメンバーに手厚く指導をして頂き、大変感謝をしております。英語も得意なほうではありませんでしたが、こちらも事前練習を欠かさず準備を怠らなかったことが功を奏し、本番では緊張しながらも楽しくディスカッションができ、無事研究結果を発表することができました。最後に、このような素晴らしい発表の舞台を用意してくださった米国内科学会日本支部の関係者の皆様にも、重ね重ね御礼申し上げたく存じます。ありがとうございました。

黒川賞(研修医部門)受賞者の言葉

2021年9月16日

ACP日本支部年次総会・講演会2021 黒川賞(研修医部門)を受賞して
横須賀米海軍病院 保科耀司

この度はACP日本支部2021年次総会において栄誉ある黒川賞をいただき、大変光栄に存じます。
今回私が発表した症例は「新型コロナワクチン接種後に重症筋無力症を発症した一例」で、横須賀米海軍病院の神経内科をローテーションしているときに経験させていただいた症例でした。重症筋無力症は感染や薬剤など、様々な要因を契機に発症、増悪することが知られております。今回発表させていただいた症例では患者が当院を受診する前に、新型コロナワクチンを接種した以外に明らかな生活変化をみとめませんでした。もちろん、新型コロナワクチンの接種が今回の症状の出現・増悪に関係したと結論づけることはできません。しかし、この新しいテーマを考察することが今回の学会のテーマでもある「アカデミックマインドの活性化」につながるのではないかと思い、発表させていただきました。考察で難しかった点は、過去の文献で同じ症例がなく、類似症例や、ワクチンと新型コロナウイルス感染の機序から仮説を立て検討していく点でした。今回協力してくださった神経内科のBaker医師と麻酔科のSowers医師なしでは成し遂げられませんでした。心より御礼申し上げます。

最後になりますが、私がアカデミックの道に興味を持つことができたのは横須賀に行く前に過ごした千葉大学総合診療科の皆様の後押しのおかげです。改めましたこの場をお借りして、感謝の意を伝えさせていただきたいと思います。そして、COVID-19パンデミックの中、バーチャルでの開催に踏み切り、最後までご尽力いただいたACP日本支部総会の関係者の方々に厚く御礼申し上げます。

Governor’s Message (Aug 2021)

2021年9月9日

暑かった夏も終わろうとしていますが、デルタ株のコロナウィルス感染症の蔓延により皆様まだまだお忙しい日常だと推察します。

今年は2023年春から支部長になって頂く次期支部長(Governor-Elect)を選出する大事な年にあたります。候補者はお二人で、矢野(五味)晴美先生は国際福祉医療大学医学部医学教育統括センター副センター長・同大感染症学教授で、現在日本支部の理事もお勤め頂いています。もうお一人の候補者、元雄良治先生(ソフィア内科クリニック腫瘍内科部長)は今年の春まで金沢医科大学腫瘍内科学教授・同大集学的がん治療センター長を務められ、ACP日本支部では2009年から2012年までCMC委員長も務められた先生です。お二方とも、お人柄も良く、ACP内部の事情にも精通しておられ、またリーダーシップもあり次期支部長に相応しい先生方ですので、どちらの先生がなられても日本支部は安泰と安心しています。公明正大な選挙になりますよう皆様のご協力をお願い致します。

さて、9月は毎年恒例の「Women in Medicine month」です。周囲でFACPに相応しい女性医師の会員の方がおられたら、是非地域のCMC担当の先生にご推薦ください。また、男女を問わず、優れた総合内科専門医でまだ会員でない先生が周囲におられたら是非入会のお声掛けをお願い致します。
 
皆様の健康と安全を祈りつつ。

ACP日本支部 支部長
前田賢司

ブログリニューアルのお知らせ

2021年9月9日

この度、ACP日本支部のブログをリニューアルいたしました。
過去の記事は引き続き以下より閲覧いただけます。
http://plaza.umin.ac.jp/~ACP/

今後も米国本部及び支部の活動内容を投稿してまいりますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

ACP日本支部事務局